「失敗やミスを過剰に怖がってしまう」「周りの目が気になって意見をぶつけられない」「自分に自信が持てず、仕事に対してもなかなか積極的になれない」という悩みを抱えている人は、「自己肯定感」が低いのかもしれません。
最近よく聞く自己肯定感とは何なのか。仕事やプライベートの満足度を上げるためにはどうすればいいのか。自己肯定感をキーワードに考えてみましょう。
自己肯定感とは
そもそも自己肯定感とは何なのでしょうか。
自己肯定感は、「ありのままの自分を肯定する」ことです。「今の自分には価値がある」「今の自分自身に満足している」など、他人と比べることなく自分の価値や存在を肯定することができる、あるいは自分自身を認めて尊重することができれば、自己肯定感は高まっていきます。
大切なのは他人の評価ではなく自分が自分を認めているかどうか、という点です。周囲から高い評価を得ている人でも、自分の価値を認められず自己評価が低い、いうのは得てして起こり得るのです。
自己肯定感の高い人の特徴
自己評価が高い人、低い人にはそれぞれに共通する特徴が見られます。
前向き
まず自己評価が高い人の特徴として自分や物事を肯定的に見ることができるという点が挙げられます。自己評価が高い人は自分を肯定的に捉えているため、不得意なことがあったとしてもそれを理由に「自分はダメな人間だ」と思うことをしません。自然と思考や発言も前向きなものになります。
他者の良い面に目を向ける
肯定的な視点は物事や他人に対しても同様です。特に他者の良い面に自然と目を向ける傾向があり、相手を褒めたり、意見を尊重することを積極的に行う傾向があるのです。相手の意見を尊重しつつ自分の意思にも自信をもっているので、意見交換なども積極的に行い、楽しむことができます。
自分の意思決定に自信がある
「ありのままの自分」に満足している人は自信を持っており、自分自身を心のよりどころとして堂々とした行動を取ることができます。他者からの評価を過度に気にすることはなく、自分から積極的に行動することに迷いがありません。仕事やプライベートを問わず、「自分がこうしたい」というはっきりとした意思を持ち、それを実行に移すことができるのです。
失敗を恐れない
単に自分に絶対の自信を持っていると言うわけではなく、物事を肯定的かつ適度に楽観視することができます。「まあ何とかなるだろう」「大丈夫だろう」と、新しいことや困難なことに失敗を恐れず挑戦していくことができます。例え失敗したとしても前向きなので「また頑張ればいいか」と失敗を成長の糧にするため、結果として成功体験を積み重ねていくことができます。
自己肯定感の低い人の特徴
自己評価が低くなりがちな人の特徴を見ていきましょう。
うまくいかないと考えてしまう
自己肯定感が低い人は、すぐに「自分は周囲から劣っていて、何も成し遂げられない」と考えてしまう傾向があります。そのため何かを始める前から「どうせ失敗する」と考えてしまい、なかなか物事に積極的に取り組むことができません。
失敗してしまうと「やっぱり失敗した」と自分で納得してそこで立ち止まってしまいます。しかも成功したとしても「今回はたまたま上手くいっただけ」と成功体験として自分に取り込むこともできません。自分の能力を信じる「自己信頼感」も低く、何かに挑戦しようとする意欲を失いやすい傾向にあります。
周囲の目が気になる
自己肯定感が低いと、自分の行動に自信が持てず、周囲の目ばかり気にしてしまうようになります。「自分はこれでいい」と考えることができないので、すぐに他者と自分を比べてしまいます。他者と自分を比べること自体は決して悪いことではないものの、それを過剰に行い続けると「あの人はできてるのに、自分はできない」と自己嫌悪に陥ったり、嫉妬や劣等感を抱えて精神的に不安定な状態になることも少なくありません。
自分の意思決定に自信が持てない
自分で何かを決めたり自分から行動することができず、周囲の人間に依存した行動を取るようになります。自分以外の誰が望むような行動を取り続けていると、自分の取った行動に対する責任感が薄くなっていきます。その結果「失敗したのはあの人のせい」と他人に責任を押し付ける傾向が強くなるのです。
承認欲求が極端に高い
「自己肯定感が低い」と聞くと、自分に自信を持てず鬱々としている状態をイメージするかもしれません。しかし自己肯定感が低くとも自信満々に振る舞い、グイグイ他者に自分をアピールする人もいます。これは自分で自分を認められないため、他者に認めてもらうことで自分の価値を確かめようとしているからです。
こうしたタイプの人は、常に他人の目を気にしており、如何に他者から認めてもらうかが行動の基準となっています。一方的に武勇伝を語り続けたり、不相応な高級品を身につけるなど他人から賞賛されるための行動に走りがちです。
自己肯定感を高めるには
自己肯定感を高めるにはどうすればいいのでしょうか。
状況を理解する
まず今自分が置かれている状況を理解し、環境を整えることが大切です。いきなり自分を受け入れろと言われても難しいでしょうが、まずは自己肯定感が低くなっていること、あるいはネガティブな思考回路になっていることを自覚することから始めましょう。
自分の自己肯定感を損ねる原因が周囲の環境にあるなら、そこから思い切って離れるのも1つの方法です。親や友人、上司や同僚などに自分を傷付けてくる人がいないかどうか、どうしても苦手な人がいないかどうか、一度考えてみましょう。環境を変えることで自信が回復することもあります。
ネガティブな感情を書き出す
物理的に文字として書くことで頭の中が整理され、物事に一端の区切りをつけることができます。また、紙に書き出すことで自分が置かれた状況を外から眺めることもできるようになります。「自分を過小評価しているだけでは」「自分に原因があると思い込んでいるだけでは」と客観視することができれば、気持ちも随分楽になるはずです。
自分の気持ちを何より優先する
自己肯定感が低いと自分に自信が持てず、つい周囲を優先したり、嫌われたくないあまり周りが望んでいることをやろうとしてしまいがちです。そこで一度立ち止まって、自分がどうしたいのか考え、気持ちのまま行動してみましょう。自分を優先することは、自己肯定感の上げ方として非常に有効です。自分のやりたいことを優先する、やりたくないことは我慢せずにやらない。それができるようになれば、かなり主体的に行動できるようになった証拠です。
まとめ
自己肯定感が低くなっていると、物事に積極的に取り組めなくなり、主体性もなくなってしまいます。結果「自分はダメだ」とますますネガティブな思考に陥ってしまいがちです。
自己肯定感は強引に高められるものではありません。しかし低いままでは前進できず、何より苦しい状況がずっと続いてしまうことになります。
まず自分が陥っている状況を正しく把握し、少し客観的な視点を持つことでそこから脱しましょう。それが次のステップへと繋がっていくはずです。
自己肯定感を高めるために、まずは自分と向き合ってみてはどうでしょうか。