フィードフォワードとは?|未来視点で解決策を考える人材育成の手法

2021年3月30日
働き方コラム
フィードフォワード

ミスや失敗に対する耳の痛い評価や情報は相手に伝えづらいもの。

部下や後輩へのアドバイスに苦手意識を持つ人も多いのではないでしょうか。

うまく伝わらないことで関係性が悪くなり、かえって仕事のパフォーマンスが落ちることがあります。

特にいまの時代は、過去の経験が通用するとは言えず、自信を持ってアドバイスすることが難しいと感じる人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は新たな人材育成手法として注目される「フィードフォワード 」について、言葉の意味や期待される効果をみていきたいと思います。

「フィードフォワード」とは

人材育成の場面などで「フィードフォワード」という考え方があるのをご存知でしょうか。

「フィードフォワード」は、時間軸を未来に置き解決策を話し合うという視点でアプローチする人材育成方法のひとつです。

解決策に焦点をあて、現時点からどのようなアクションを起こすことで最適な結果が生まれるか、メンバーの自主性や前向きな姿勢の育成に効果的です。

固定されたノウハウや形式の学習とは異なり、個人の能力や特性を反映させやすくやる気や創造性を育む手法として注目されています。

ダメ出しや批判的なアドバイスが抑えられ、チーム全体で取り組むことで組織のコミュニケーションの円滑化や結束力の強化にも繋がります。

「フィードバック」と「フィードフォワード」の違い

「フィードフォワード」と同様に人材育成の場面で使用される考え方として「フィードバック」があります。

「フォワード=前」「バック=後」という意味を持つ単語であることからも分かるように、「フィードフォワード」が未来に視点を向けた人材育成の手法であるのに対し、「フィードバック」は過去の仕事や結果から現状を把握し、取り組み方を見直す育成手法です。

この視点の違いによって、育成される人材に与える印象や影響には大きな違いが生じます。

フィードバック

「フィードバック」は過去に行った仕事の結果を参照して評価する手法です。指導される側にとっては耳が痛い指摘が入ることもあり、気が重たくなる評価を受けることも少なくありません。

提出した企画書や会議資料、プロジェクトの報告書に修正箇所を指摘された真っ赤な書類がかえってくることは「フィードバック」を用いた新人研修などでは数多く見られます。

評価者の側は本人の成長のためを思いミスや間違いを指導をしていると考えていたとしても、指摘を受ける本人にとっては大量の修正指示や注意すべてに目を通すことは大きなストレスかもしれません。

「フィードバック」は過去の経験から学びアクションプランを作るという目的において効果的な手法です。多くの組織で部下育成のための重要な方法として活用されています。

フィードフォワード

「フィードフォワード」は直面している問題に対する解決策に目を向けることが特徴です。

過去に行った仕事の結果ではなく個人の考え方や取り組み方に主眼が置かれるため、自発的に問題の対策を考え、前向きな意見やアイデアを中心に対話が進みます。

ミスをなくすという視点は弱くなってしまいますが、問題が発生した際に適切な方法を考え実行できる人材を育て、相互に助け合う組織づくりに役立ちます。

植物の生育に例えて言うなら「フィードバック」は伸びてしまった木々を剪定して真っすぐに育てようとする手法であるのに対し、「フィードフォワード」は添え木をすることで真っすぐ伸びていくことを目指す育成手法と言えるでしょう。

自発的にチャレンジできる人材と環境を育む

「フィードフォワード」は自発的に伸びていく力を育てることを目的としています。

本人が悩み考えていることをじっくりと観察して、言葉が発せられるのを待つ必要があります。

指導評価する側からすると、言いたいことがうまく伝えられない、一緒に考えたやり方ではうまくいかない等、見ているだけでやきもきするかもしれません。

しかし、自分で考えて失敗したのであれば、うまくいかなかった点を振り返り、改善して前に進むことが出来ます。このような日々の習慣によって、トライアンドエラーを自発的に繰り返しチャレンジできる組織文化が育成されます。

問題や欠点、ミスに焦点を合わせる「フィードバック」に比べて、良好な関係を築きながら自主性とモチベーションを育むことが出来るという点が「フィードフォワード」の魅力です。

「フィードフォワード」は変化の速い現代だからこそ必要な育成方法

人材育成の場面では「自分で考えて解決策を模索する」という点がより重要視されています。

ここまで解説してきた通り「フィードフォワード」は問題に対してこれからどのように解決していくかを考えることを目的とした人材育成手法です。

変化に対応できる人材を育成する

社会のニーズや環境が細分化され、変化の激しい現代だからこそ注目されている手法と言えるでしょう。

「フィードバック」は過去の事例をもとにミスや失敗から学び、次の行動を促す手法です。しかし、社会的なニーズや制度といった外部環境は日々移り変わります。

変化のスピードが速い今、「フィードバック」の指導だけでは課題解決に至らない可能性があります。次に似たような仕事に取り組んだ時は、過去の経験や身に着けたやり方では有効ではないかもしれません。

未来に目を向ける「フィードフォワード」では、世の中のニーズや取り組もうとしている問題がどのようなものかを分析するところから始まります。こうしたプロセスを徹底することで、経験したことのない状況に対しても自分なりの回答を導くことが出来るようになるでしょう。

自主的に考えて実行するプロセスは、社会や個人のニーズが変化しやすいこれからの時代において、重要な考え方です。

「フィードフォワード」のやり方

まず取り組んでいる問題について分析することから始めます。

どのような背景があって、どのような課題や障害があるのかを分析して、それぞれについてどのように解決することが出来るのかを考えさせるのです。

この分析が不十分だと、漠然と立てた計画を何となく実行してしまい、成功や失敗の実感が無いままに仕事が終わってしまいます。

それぞれの問題や課題に対してどのようにアプローチするかを考えるよう促すことが、指導評価する側の最も大切な仕事だと言えるでしょう。

疑問に感じたり矛盾しているようなおかしな点に気づいたら、ここがダメと否定するのではなく、「このまま計画を実行することで、こういう問題が起こると考えているのだけれど」というように、問題を提起する形で、さらに考えを深化させるよう修正をしてあげるといいかもしれません。

未来のことは誰にもわかりません。まずはお互いの違いを尊重しながら相手の意見や考えを聴くことから始めてみましょう。

「フィードフォワード」により自分で考えられる人材に育てる

「フィードフォワード」は決まったやり方を植え付けることではなく、自分で考えて問題にアプローチする力とモチベーションを育む手法です。

指導する側にも指導される側にも根気は必要ですが、これからのニューノーマルな時代に必要な人材育成の手法です。

「フィードフォワード 」は、組織内のコミュニケーションを促すためにも役立ちます。普段の打合せや会話の場面でも取り入れてみてはいかがでしょうか。

働き方コラム:用語解説