キャリアノヒント|ストーリー:八尾剛史さん(前編)

キャリアノヒント|ストーリー:八尾剛史さん(前編)
2022年4月22日

人生100年時代となり「キャリアは自己責任の時代」などと言われるようになりました。

終身雇用制度の崩壊や多様な働き方を推進する働き方改革など、労働環境も大きな転換期を迎えています。

リクナビが以前に実施した調査では、転職活動をしたことがある人は6割以上、40代では8割を超えるという結果になるなど、転職が当たり前な社会となるなかで、自身のキャリアに責任を持ち計画・行動することを難しく感じる人も大勢いるのではないでしょうか。

そこで今回は、40代半ばでこれまでとは全く異なる仕事でキャリアチェンジを選択した八尾さんにお話を伺いました。

波多楽くん
波多楽くん

40代を迎え、会社員から個人事業主として独立をされた八尾剛史さん。どのようにして独立に至ったのでしょうか?

八尾 剛史 さん

大学を卒業後、2社に渡って合わせて6年間印刷会社で営業職に就き、30歳の頃メーカーのマーケティングやセールスプロモーションを支援する会社でディレクション業務に従事。45歳で退職し、現在は個人事業主として軽貨物運送業を中心にしながら、今までの経験を活かした仕事も並行して行うなど、業務の枠にとらわれない自由な働き方を実現している。

これからの働き方やキャリアを考えるためのヒントを探ります。

やりたかった事をやろうと決意した

今の仕事を始めたきっかけを教えてください。

  • 八尾さん

2020年に発生したコロナウイルス感染症により、会社の業績が悪化し始め、基本給の減給、夏季賞与のカットなど、給与面に影響が出るようになり、加えて社内でも様々な出来事が発生し先行きの不透明感を感じたのが退職のきっかけです。

また、会社に入社してからずっと感じていたのは、クリエイティブな会社ということもあり長く働くことができても50歳前後が限界かなというのを先輩方の動向を見て感じていました。

そんな時、コロナウイルス感染症が発生し、50歳までまだ5年ありましたが、ちょうどよいきっかけではないかと考えて自分が以前からやりたかった事をやろうと決意しました。

これまではどのような仕事(キャリア)を歩んでこられたんでしょうか?

  • 八尾さん

新卒で入社した印刷会社では大手電機メーカー、アパレル、公共団体等の印刷媒体を中心としてディレクション業務を行い、自身で新規開拓した不動産デベロッパーが扱う分譲マンションの立ち上げに関わる全ての成果物のプロデュースに携わるなど、4年間で多岐に渡る業種の仕事を経験しました。

2社目も印刷会社でしたが、1社目での不動産業界の経験を買われ、不動産に特化した広告代理店の仕事を中心に2年間従事しました。

そして30歳の頃に、より発注元に近いポジションの業務に携わりたいと思い、メーカーのマーケティングやセールスプロモーションを支援する会社に転職しました。

そこでは大手外資系消費財メーカーのカスタマーマーケティングに特化したセールスプロモーションを担当し、特に消費者向けキャンペーンは100件以上を手掛け、クライアントとカスタマーの特性に応じたキャンペーン展開を約15年間構築しました。

そして45歳でコロナウイルス感染症が発生したことがきっかけで、さまざまな環境の変化が起こり、独立という新たなステージへと舵を切ることとしました。

不安2割・楽しみ8割

会社員を辞め、新たなキャリアを踏み出すことに不安はなかったのでしょうか?

  • 八尾さん

不安はもちろんありました。ただ、今のまま会社員を続けても不安は消えないだろうし、むしろこのまま続けることで先行きの不安がより一層大きくなるだろうと考えると、今の時点で自分のやりたいことをやる方がまだ不安が少ないだろうと思うようにしました。

また、二人の子どもも高校生と中学生になり手がかからなくなったことも後押しとなり、これからは自分のために時間を使ってもいいだろうと思いました。

それに、45歳まで会社員として十分やってきたのではないかと思うようにし、これからは自分の人生の第二章が始まるという楽しみを不安より強く持つようにしました。

結果的に振り返ると、その当時不安2割・楽しみ8割という割合だったと思います。

小さかった子供たちも大きくなっていたことが独立を決意したポイントでもあった。

今の仕事でたいへんだと感じるところはありますか?

  • 八尾さん

収入面の保障がゼロだというのが一番大変です。それもあってか休日に対しての感覚がガラッと変わりました。会社員の頃は休日は取れるなら取れる方が良かったですが、今は休日を「取れない」のではなく「取らない」ようになりました。やはり収入面の不安があるので稼げるときに稼いでおこうという感覚になったからです。

問題を乗り越えてきた経験は何物にも代えがたい

いろいろと模索しながら今の働き方にたどり着かれたと思いますが、今の働き方を選んで良かったと思う点はなんでしょう?

  • 八尾さん

まずは、自分が動いたら動いただけそのまま収入に直結すること。次に全ての決定権が自分にあること。そして、会社員だった時の不毛な業務をする必要がなくなったことです。

自己責任でいろんなことに取り組んだことで、自分に自信がつきました。会社員の頃は50代・60代になるといつどうなるか分からないという不安がずっとありましたが、今では自分の力で生きていけることが分かったため、不安よりもその年齢になったらどんなことをしてるのだろうと楽しみな気持ちを持てるようになりました。

会社員から一歩踏み出した今の働き方をどんな人におすすめしたいですか?

  • 八尾さん

会社員を一概に否定するつもりはありません。会社員だからこそ経験できる社内や社外で多くの人と関わることができ、幾度となく発生する課題や問題など個人事業主では直面することができないような壁にぶつかり、それを乗り越えてきた経験は何物にも代えがたい貴重なことだったと思います。

逃げ出したくなるようなトラブルが発生したその時は辛くて仕方なかったですが、そういった経験が間違いなく自分を人間として成長してくれたかと思います。

なので、20代、30代は会社員として働くことが自分を成長させるためには必要だったと思います。

会社員としてそういった経験を20年以上続けてきた人だったら、個人事業主としても十分通用すると思います。

まとめ

以前から40代で独立しようとは考えていなかったそうです。決して準備万全に独立に踏み切ったといったわけではなさそうでした。その時の仕事や家族の状況、ご自身の想いなど、いろんな要素が重なったタイミングだったのだと思います。

もちろんご家族などにもちゃんと理解をいただいたうえで、最後は自分で決意した。会社員から未経験の分野で独立することに不安も大きかったと思いますが、それでも楽しみながらチャレンジを続けられています。

次回、後編では独立当初に試行錯誤してきたお話を伺いました。

波多楽くん
波多楽くん

後編もお楽しみに♪