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キャリアオーナーシップとはどういう意味?キャリア形成を会社まかせにできない時代に必要な姿勢

キャリアオーナーシップとはどういう意味?キャリア形成を会社まかせにできない時代に必要な姿勢
2021年4月30日

終身雇用が主流だった以前までの日本では、”会社に長く勤めればそれでいい”という考えも少なくありませんでした。

しかし、終身雇用制度が過去のものとなりつつある現代において、自らのキャリアついて主体的に考える「キャリアオーナシップ」が重要と言われています。

ここでは、キャリアオーナシップとは何か、言葉の意味や背景について解説していきます。

監修
森田 秀司 さん

大学卒業後、外食産業を経て人材サービス業界に入り、業界経験20年。転職エージェント9年、再就職支援3年、人材派遣5年の他、自身も派遣社員として2年半の就業経験があり、多種多様な働き方の支援に携わる。その後、京都地場の人材サービス会社にて、エンジニア専門転職エージェントサービスの立ち上げ、自社採用業務、派遣事業管理に携わる。人材紹介の仕事について日々思うことをnoteで配信中

大学卒業後、外食産業を経て人材サービス業界に入り、業界経験20年。転職エージェント9年、再就職支援3年、人材派遣5年の他、自身も派遣社員として2年半の就業経験があり、多種多様な働き方の支援に携わる。その後、京都地場の人材サービス会社にて、エンジニア専門転職エージェントサービスの立ち上げ、自社採用業務、派遣事業管理に携わる。人材紹介の仕事について日々思うことをnoteで配信中

キャリアオーナーシップとは?

キャリアオーナーシップとは、「キャリアについて主体的に考える」という考え方を指す言葉です。

終身雇用の崩壊とともに広まった”キャリア”を重視する考え方のひとつとして、”自分自身で人生におけるキャリアを形成・構築していく”ことを目的としています。

キャリアについて考えるということで難しいように感じますが、例えば「〇〇歳でこの企業に入社し、○○歳でこのポストに昇格し、○○歳までに貯金を1,000万円貯めて老後は~」という具体的な希望や、「自分の好きなように生きていきたいので、フリーランスとして働いていく」などシンプルなものでかまいません。

さらに、キャリアオーナーシップを発揮するには、自らの進みたい方向を考え行動していくことが重要です。

キャリアオーナシップが必要とされる背景

では、なぜ今キャリアオーナシップが必要とされているのでしょうか。

ここからは、いくつかの背景を解説していきます。

終身雇用の崩壊

キャリアオーナーシップが注目される要因として大きいのが、「終身雇用の崩壊」です。

一部には終身雇用のような雇用形態を導入する企業があるものの、スタートアップやベンチャー企業の多くは個人の能力・活躍に合わせて昇給や昇格を決定するジョブ型雇用を採用しています。

グローバル化が進み、他社との競争も激しくなる中で、競争を勝ち抜いていくためには能力・スキルを持った人材の確保が重要です。

終身雇用は会社に勤めていれば経歴に合わせて昇進・昇格していけるので、企業がキャリアを形成してくれるという側面がありました。

終身雇用が崩壊し、雇用の流動化が進む現代は、自身が責任を持ってキャリアを形成していかなければならず、キャリアオーナーシップの考え方が重要になっています。

人生100年時代を迎えて

終身雇用が崩壊する背景にグローバル化がありますが、もう一つの要因として挙げられるのが”人生100年時代”です。

医療技術の発達と保険制度の拡充によって、人生100年時代が現実のものとなってきました。

人生100年時代について

ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されており、日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えています。

100年という長い期間をより充実したものにするためには、幼児教育から小・中・高等学校教育、大学教育、更には社会人の学び直しに至るまで、生涯にわたる学習が重要です。

人生100年時代に、高齢者から若者まで、全ての国民に活躍の場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくることが重要な課題となっています。

人生100年時代について(厚生労働省)

一見すると素晴らしい話なのですが、100歳まで健康に暮らせるようになれば、現在存在している”定年”などの概念が消える、あるいは大幅に年齢が引き上げられる可能性も考えられます。

つまり、人生100年時代が現実化するということは、より長く働くためのキャリアプランを形成する必要があるということでもあるのです。

企業にとって、変化の激しい社会環境の中で同じ人材を何十年も抱えることは大変なことです。

そもそも企業の存続期間以上に働く期間が長くなれば終身雇用自体が成り立たなくなります。

キャリアオーナーシップは仕事に限ったものではなく、人生そのものを形成するために重要な考え方です。

自分が何をして、どうやって生きていくのか。

キャリアオーナーシップに基づいて具体的かつ主体的に考える必要性が高まっています。

キャリアオーナーシップを発揮するためのポイント

キャリアオーナーシップは今後重要な考え方だと言えます。

けれど終身雇用が当たり前という感覚がある場合、自身のキャリアに責任を持つという考えに、すぐに順応できるものではありません。

また、いきなり重要だと言われても、どう考えていけばいいのかわからない方も多いでしょう。

そこで、キャリアオーナーシップを発揮するための方法について代表的なものを紹介します。

取り組み

キャリアオーナーシップは個人でも取り組める考え方ですが、キャリアオーナーシップを発揮するのであれば、やはり企業として支援する必要も出てきます。

そのため、多くの企業ではキャリアカウンセリングなどが実施されています。

キャリアカウンセリングとは、その人にとって適した職業選択・キャリア開発を支援するプロセスのことを指します。

キャリア開発や職業選択などを中心に、キャリア形成をサポートしてもらえるので、うまく考えられない方は積極的に参加・利用していくべきでしょう。

また、企業によっては専用の研修を導入していることもあります。

メリット

キャリアオーナーシップのメリットとして、まず挙げられるのが「人材として成長できる」というところです。

キャリアについて深く考えられれば、その課程で職業や仕事に関する知見も広まっていくでしょう。

そのため、単純にキャリアプランニングをするだけでなく、人材として成長する可能性が高いのです。

従業員のスキルアップやエンゲージメントの増加などを狙い、キャリアオーナーシップを推進する企業も少なくありません。

課題

キャリアオーナーシップを取り入れる際、いくつかの課題も発生します。

内容は人によってさまざまですが、例として挙げられるのが”深く考えすぎてしまう”ことがあります。

キャリアオーナーシップについて、「しっかりキャリアを考えなければ」と責任感や焦燥感を持ちすぎてしまい、生き方に苦悶してしまう場合もあります。

そうなると、キャリアカウンセリングなどに参加してもアドバイスを活かしきれなかったり、自分の考えを優先し柔軟に考えることができなくなってしまいます。

あくまでも”主体的に考える”というプロセスのため、「個人の形成能力に依存する」というのは、キャリアオーナーシップの取り組みの課題だと言えるでしょう。

まとめ

キャリアオーナーシップは、まさにこれからの時代において必要となる考え方です。

先進的な企業では、キャリアオーナーシップを推進しているところが多くあります。

現在働いている方やそうでない方も、早いうちにキャリアオーナーシップについて理解を深め、自身のキャリアを形成していくのが良いでしょう。

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