リスキリングとは?社会が求める人材へとキャリア開発が必要になっている

リスキリングとは?社会が求める人材へとキャリア開発が必要になっている
2021年10月18日

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最近、注目が集まるリスキリングという言葉をご存知でしょうか?DXに備え、日本企業においてリスキリングの必要性が高まっています。

この記事ではニューノーマル時代において知っておきたいリスキリングの意味や現状、今後の展望を紹介します。

監修
森田 秀司 さん

大学卒業後、外食産業で約3年勤務。その後人材サービス業界で大中小様々な企業の採用支援を21年経験後、創業30年の大阪市の音響、映像システム設計、施工会社で人事総務課長。人材紹介の仕事について日々思うことをnoteで配信中

大学卒業後、外食産業で約3年勤務。その後人材サービス業界で大中小様々な企業の採用支援を21年経験後、創業30年の大阪市の音響、映像システム設計、施工会社で人事総務課長。人材紹介の仕事について日々思うことをnoteで配信中

リスキリングとは何か

リスキリングは近年急速に話題に上るようになりました。人材が今後のデジタル時代に対応していく上で重要な概念として注目されています。ここではリスキリングの意味や定義、リスキリングが注目されるようになった背景を解説します。

リスキリングの意味と定義

リスキリングとは英語では「Reskilling」と表記します。人材の能力開発・スキルアップをさす言葉です。

リクルートワークス研究所が経済産業省の「デジタル時代の人材制作に関する検討会」で提示したリスキリングの定義では以下のように言っています。

「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」

つまり、単純なスキルの習得ではなく、急速な変化を起こしている現場で適切に力を発揮できるスキルを身につけること、身につけさせることがリスキリングです。今までスキルを発揮して活躍していた人も大きな変化に適応できずに活躍できなくなっているケースがあります。

その人材がスキルを獲得して新たな頭角を現せるようにする取り組みです。

リスキリングが必要とされる背景

リスキリングが必要とされるようになったのは世界的に働き方を見直す動きが強まったからです。日本では働き方改革が推進され、リモートワークの導入やフリーランスでの働き方を選択する人も多くなりました。新型コロナウイルスの流行の影響を受けて、ビデオ会議によるコミュニケーションや社外交渉などを取り入れる動きが進みました。仕事の進め方や取り組み方が大きく変化しており、今まで必要とされていたスキルでは通用しないケースが増えている状況があります。

特にデジタルトランスフォーメーションの推進に代表されるデジタル化の流れのなかで、IT系のスキルの要求が大きくなりました。リスキリングによって変化に柔軟に対応し、現場で活躍できるようになることが求められています。今まで培ってきたスキルを伸ばせば良いというわけではなく、新しいスキルを組み合わせていく重要性が高まっています。

リスキリングとリカレントの違い

リスキリングと類似している概念にリカレントがあります。リカレントは基本的に過去に働いた経験に基づいてスキルを学び直し、現在の業務に活かすようにすることです。仕事を通して必要性を認識し、さらに関連する内容を学んで現場に生かすというプロセスまで含むのが一般的です。

しかし、リスキリングは今後も新しい価値を生み出す人材として活躍できるようにするために、時代や状況の変化を加味して必要なスキルを適切なタイミングで習得し、その後現状の業務から離れることが主軸に置かれています。リスキリングは明確な目的志向があるのに対して、リカレントでは個人の興味などに基づいて学ぶことも含むのが特徴です。

リスキリングの重要性

リスキリングは個々の人材にとっても人材戦略を考える企業にとっても重要な意味を持ちます。デジタルトランスフォーメーションが推進される時代ではデジタル技術の力を最大限に活用して新しい価値を創造できる人材が生まれるようになるのがメリットです。個人がリスキリングに取り組めば、デジタル時代で活躍できる人材としての価値を高めることができます。

これからのキャリア構築を考える上では欠かせない考え方で、就職や転職、昇進や昇格の際に評価されるポイントになります。企業が社員教育として推進すれば多くの社員のスキルが再開発されて今後の事業やビジネス戦略に生かせる人材を生み出すことにつながります。

貴重な人材を成長させて最大限に企業に貢献させるための人材戦略として欠かせないものになっているのがリスキリングです。このように個人も企業もリスキリングを意識する重要性が高まっています。

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リスキリングの現状と課題

リスキリングはデジタル時代の人材にとって必要な概念ですが、現状として世界や日本ではリスキリングの取り組み状況はどうなっているのでしょうか。

今後の課題と合わせて現状を簡単に確認しておきましょう。

リスキリングの世界における動き

リスキリングは世界的には大手企業を中心として積極的な取り組みを進めています。世界経済会議では2018年からリスキル革命というセッションが設けられ、2030年までに全世界で10億人をリスキリングする宣言を出しました。しかし、実際には2013年にはアメリカでリスキリングに動き出した企業もあり、現在では社員のリスキリングについて明確な目標を出して予算を組んでいるケースが増えています。

アメリカでは政府によるリスキリング・イニシアチブも実施されています。失業者へのリスキリングを支援する動きも生まれているため、社会全体として取り組む姿勢が生まれてきているのが現状です。

リスキリングの日本の現状

日本におけるリスキリングの取り組みは2020年になってから進められるようになりました。文系の人材にAI研修を実施したり、大手企業で内部強化のためにリスキリングを取り入れる宣言があったりするなどだんだんとリスキリングの認識が広まってきているのが現状です。

OJTでも対応できる、ソフトスキルの方が重要性が高いといった認識もあるため、世界に比べて後れを取っている状況があります。

また、リスキリングはデジタル人材の獲得に必要なものであってあらゆる人材を対象とするものではないという誤解もあるため、意識改革を進めない限りは浸透しづらい状況があります。

リスキリングの今後の課題

デジタル時代の人材戦略をサポートするために人材事業を進めている企業も増えています。リスキリングは内製化することが必須ではなく、外部サービスを活用して実施するのも重要です。

ただ、企業としては社内で取り組まなければならないと考えていて人材戦略に外部サービスを利用するのをためらう傾向があります。人材育成のサービス活用してデジタルスキルを価値の創造に活用できるレベルまで引き上げるという考え方を取り入れる意識改革がキーポイントでしょう。

企業だけでなく個人でもリスキリングに抵抗感を持つケースがあるのも課題です。変化に対応するには今までの常識に固執せずに新しい仕事のあり方や働き方の可能性を考えるのが大切です。

また、スキルに基づくキャリア形成の指針が見えていないのが個人にとって不安になる点でしょう。企業がスキルマップを提示できるようにデジタル技術を活用し、合理的なリスキリングの道筋を提案できるようになることが大きな課題となっています。

リスキリングで価値を生み出す人材になろう

リスキリングはデジタルトランスフォーメーションやリモートワークに象徴されるニューノーマル時代における人材戦略において欠かせない概念です。

時代の変化に適応して価値を創造し続ける人材を生み出す取り組みなので、積極的に取り組んでいきましょう。

波多楽くん
波多楽くん

コロナによりさまざまな業界でデジタル化が加速しました。スキルの陳腐化やAIにより無くなる仕事など、新たなスキルの獲得は日本社会にとっても重要になります。自宅にいながら学べるオンライン学習サービスも活用してスキルを磨きましょう!

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※出典:リスキリングとは -DX時代の人材戦略と世界の潮流-