在宅勤務やテレワークを導入している企業が増えている中、フルタイムで週5日の勤務が難しい人でも働きやすい環境が広がっています。
この記事では、どんな在宅勤務の種類があるのか、どういった職種なら在宅勤務ができるのかなど、在宅勤務やテレワークの働き方を詳しく見ていきたいと思います。
コロナ禍では、人の流れや密を避けることを目的にテレワークの導入が推奨されてきました。厚生労働省は「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」※を公開しています。
在宅勤務の種類と働き方
在宅で行えるテレワークには、大きく分けて2つの働き方があります。
ひとつが企業等との雇用契約があり、出社せずに自宅で勤務することを前提とした『雇用型テレワーク』。もうひとつは特定の企業との雇用契約はしておらず、仕事ごとに受注・成果物の納品を行い利益を得る『自営型テレワーク』です。
雇用型テレワーク
企業と勤務する被雇用者との雇用契約の内容によっては、勤務時間の定めや他の社員との連携、副業等をしてはならないなどの縛りが発生します。また、すべて在宅で仕事ができるわけではなく、会社への出勤と併用しなければならないこともあります。
しかし、仕事単位での受注ではないので安定して継続的な収入が得られる点や、就業時間や給料などの管理を企業側が行うため、定められた時間内で就業したいという場合には便利なシステムです。
自営型テレワーク
雇用契約がなく内職やタスク単位でのデスクワークを受注して成果物を納品する、自営業やフリーランスとしての在宅勤務です。
自衛型テレワークでは、業務委託などにより仕事単位での納品期限や成果物を定めた契約が主となります。勤務時間や契約先の変更、受注する件数などの制限はありません。そのため、可能な範囲で受注件数を増やして収入を増額させるといったことも可能です。
一方で、個人事業主として受注案件や納期の管理を自分で行わなければならず、収支に関しても自身で記帳し、確定申告をしなければなりません。
また、継続的に受注できる取引先が見込める場合はともかく、単発の業務を受注するタイプの業種であれば、継続的に収入を得られる可能性が低い点にも注意が必要です。
在宅勤務の特徴
テレワークが広まっているとはいえ、どのような職種でも導入できるというわけではありません。雇用型テレワークにも自営型テレワークにも共通した、在宅勤務に向いている職種の特徴が存在します。
これから在宅での仕事を検討している人は、以下のようなポイントを押さえた仕事かどうかを確認してみるとよいでしょう。
特定の場所での就労を必要としない
自宅にはない、特定の機材等を必要とする仕事や特定の場所に行かなければできない仕事などでは、テレワークで済ませることはきません。
逆に、オンラインでのデータのやり取りが中心のような職業ならば、必要な機材やネット環境さえあれば、自宅や外出先などどこからでも作業や納品ができるため、テレワークに向いているといえます。
人との直接的なコミュニケーションを必要としない
接客業や直接商品等を提示することが必要な営業、他のスタッフと直接の連携が必要な業務などは、オンラインのコミュニケーションで十分なパフォーマンスを発揮することができないため、テレワークには向いていません。
逆に、一人で業務を遂行できるような仕事やオペレーター、電話相談員のように電話やチャット、メールなどのやり取りで本来の業務を十分に行える仕事であれば、在宅勤務がしやすいといえます。
成果物が評価しやすい
在宅勤務の場合、勤務時間や業務内容の優劣を判断できないため、成果物が評価しやすいものでなければ報酬を決めにくいという特徴があります。
そのため、プログラムデータや原稿などの文書データ、デザイン等の画像データ、図面データなどのようにオンラインで迅速かつ確実なやり取りがしやすく、仕上がりの評価がしやすいものを作成する仕事がテレワークに向いているといえるでしょう。
どんな仕事が在宅勤務可能か
在宅勤務に向いている特徴を備えた仕事としては、具体的には以下のようなものが挙げられます。
プログラミング関係
システムエンジニアやプログラマーなどのデータ共有がしやすく、パソコンがあれば作業が可能な仕事はテレワークに向いているといえます。
複数のメンバーで作業をする場合でも分業がしやすいですし、クライアントとのやり取りはある程度必要ではあるものの、基本的にはメールやチャットなどで対応できる点も条件にぴったりです。
納期を守れば時間配分は自分の自由になりますので、テレワークに移行することでそれほど不便を感じることはありません。
事務
総務、経理、人事などといった事務職は雇用型テレワークが導入しやすい業務です。
ある程度出勤する必要はあるものの、基本的に在宅の作業で事足りる場合が多いため、子育て中などフルタイムで働くことが難しい人が継続して同じ職場で働けます。
ただし、機密性の高いデータを扱うことが多いので、データの管理やセキュリティ対策には注意が必要です。
クリエイティブ業
デザイナーやイラストレーターなどの仕事は、クライアントからの要望を聞き取ってからデザインやイラストなどを制作して納品しますので、それを全てオンラインで行うことは十分可能です。
経験やセンスを必要とする仕事でもありますので、自営型テレワークで仕事をしている人が多く、知名度が高ければ多くの仕事を受けることもできます。
文章の作成
作家やライター、編集者といった文章を書く仕事は、パソコンがあれば比較的どこでもできるため、テレワークへの意向がしやすい仕事のひとつです。
クライアントとのやり取りは必要ですが、基本的には自分一人の作業が大半を占めているため、ほぼ在宅勤務のみで仕事を完了させることもできます。
タスク単位の仕事の発注もありますので、まとまった時間を取りにくい主婦層が内職として行うケースも多いです。
まとめ
在宅勤務は必要な環境を整えやすく、就労可能な時間内でできる業務に留めれば、フルタイム勤務が困難な主婦でも比較的手軽に始められます。
テレワークの募集も増えていますので、興味がある人はチェックしてみましょう。
インターネットと通信機器があれば場所を問わず働くことができる業種もたくさんあります。テレワークの特徴を理解すれば、働き方の選択肢もきっと広がるはずです。テレワークの効果と課題についてはこちらの記事を確認ください!