エッセンシャル思考とは?最小の時間で最大の成果を出す方法(名著まとめ)

エッセンシャル思考とは?最小の時間で最大の成果を出す方法(名著まとめ)
2021年11月22日

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エッセンシャル思考」は、2014年に出版されたグレッグ・マキューンの著書。副題の通り、最小の時間で最大の成果を出す方法が書かれています。

がんばっているのに報われないのはなぜなのか、それを知って打開することで充実した人生を送るためのヒントが書かれています。

・推薦の言葉
向上心はときに絶えざるプレッシャーとなってあなたを襲う。あれもこれも試したい、いいことは全部自分の生活に取り入れたい。だが、そんなやり方で人は進歩できない。何事も中途半端に終わるのがオチだ。この苦境を脱け出すための鍵は、人生を本質的要素だけに絞り込むこと。本書は、自分にとっての本質的要素を見つけ出す手がかりとなるだろう。

ダニエル・ピンク(『モチベーション3・0』著者)

グレッグ・マキューン. エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする (Japanese Edition) Kindle 版.

今回はグレッグ・マキューンの著書「エッセンシャル思考」を参考に、エッセンシャル思考について解説していきます。

エッセンシャル思考とは

「エッセンシャル思考」の著者グレッグ・マキューンは、シリコンバレーにあるコンサルティング会社THIS Inc.のCEO。

エッセンシャル思考の考え方を広めるために世界中で講演や執筆を行うと同時に、アップルやグーグルなどの有名企業にアドバイスをしています。

エッセンシャルは英語で「本質的な」「絶対に欠くことのできない」といった意味。商業デザインの巨匠ディター・ラムスのデザインに対する考え方である「より少なく、しかしよりよく」はエッセンシャル思考を端的に表しています。

エッセンシャル思考は本当に重要なことを見極めて、集中的に実行するための方法論です。取捨選択の仕組みを作ることで、自動的にエッセンシャル思考ができるようになります。

エッセンシャル思考とは対極にあるのが非エッセンシャル思考です。

非エッセンシャル思考の人には、優秀な人が多いともいわれています。優秀な人は自分の目標に向かって前進します。その結果人から頼りにされ期待に応えようとして、自分のすべきことをあとまわしにして多くの仕事を引き受け、すべてが中途半端に終わります。

がんばっているのに報われない、といったところでしょうか。

これは、自分の行動を他人が決定している状態です。他人に振り回されて、自身の仕事が後回しになり残業も多くなります。すべてをやろうとするので、常に時間が足りません。

エッセンシャル思考を身につけることで、本当に大事なことに取り組むことで最高のパフォーマンスを発揮できるようになり、人に振り回されず充実感を持って過ごせるようになります。

エッセンシャル思考の実践

エッセンシャル思考を実践している人は睡眠や食事、仕事のリズムを守って生活しています。

着心地のよい服を身につけ、気の合う仲間としかつき合わず、余計な行動をしません。

最近は少なくなったようですが「仕事のつき合い」などという言葉がある日本では、エッセンシャル思考を実践するのが少し難しそうです。しかし「エッセンシャル思考」は全米でもベストセラーになっており、すべてを手に入れられる人こそが有能だと考える状況はどこの国も同じなのかもしれません。

エッセンシャル思考を実践するには、これまでの考え方を大きく変える必要があります。

「頼まれたことはやらなくてはならない」を「自分でやると決めたことをやる」に変えます。「全部大事」を「大事なことは少ない」に改めます。「全部やる方法」ではなく「何を捨てるべきか」を考えます。

他人の期待に応えず、嫌われることを恐れないことが大切です。

自分の人生を充実させることと、他人の期待に応えることはトレードオフの関係にあるからです。両方を選ぶことはできません。

エッセンシャル思考を身につける

エッセンシャル思考を身につけるには本当に重要なことを見極めて、重要でないものは容赦なく切り捨てる必要があります。

これを仕組み化して自動的に実行できるようにすれば、努力と根性は必要ありません。やるべきことの判断基準を決めることが重要です。

重要なことを見極める5つの技術

  • 孤独に考える時間を持つ
    重要ではないおつき合いを切り捨てるなどして、何が重要かを考えるための余裕を持ちましょう。
  • 大局を見て本質を捉える
    日々の細かい作業に忙殺されず、これは本当に必要なのかとその都度考えましょう。
  • 遊びの重視
    内なる子供の声を聞くことは人生の選択肢を増やし、大局を見る目を養います。
  • 睡眠をとる
    眠ることは創造性を育み、生産性や仕事の効率を高めます。
  • やるべきことの判断基準を決める
    ちょっとやりたいものではなく、すごくやりたいものだけを選びます。エッセンシャル思考では、ほとんどのものがやらないものに分類されます。

不要なものを捨てる5つの技術

  • 完全に明確な目標を持つ
    シンプルで具体的な、魅力的で測定可能な目標を設定しましょう。5年後までにネットショップの経営で生計を立てるなど、なんでもかまいません。
  • 上手に断る
    きっぱりと本当に必要なこと以外は、勇気を持って上手に断りましょう。手短に、自分のやりたいことを伝えるなどすると納得してもらいやすくなります。
  • 過去の損失を切り捨てる
    株にも損切りという言葉があります。一定の損失が出た段階で株を売り損失を確定することですが、判断を誤ると株価が下がり過ぎて売るに売れなくなります。ここまでやったのにもったいないという考えを捨てて、利益にならないことはすべて切り捨てます。
  • 削ることを重視
    多くの小説家が、不要だと思えば何百枚もの原稿を捨てるそうです。水増ししても、よい小説にはならないことを知っているからです。不要な細部は切り捨てましょう。
  • 面倒な人やものと境界を作る
    時間を持て余して世間話をしに来る隣人など、エッセンシャル思考の妨げになる人やものと距離を置くことで自由になり本当の力を発揮できます。いちいちNOをいう必要もありません。

仕組み化する6つの技術

重要なものを見極めて不要なものを捨てるには、仕組み化する必要があります。そのための技術は6つです。

  • 想定外を想定する
    物事は常に思い通りにいかないと考え、最悪の事態を想定しながら準備と計画をしましょう。
  • 仕事を減らし成果を増やす
    場当たり的な対処や上司を喜ばせるための仕事など、成果を生まない仕事を徹底的に切り捨てます。
  • 小さな1歩を積み重ねる
    地道な努力を積み重ねて、着実に勝つことが大きな勝ちにつながります。作者のグレッグ・マキューン自身もアイデアをツイッターでつぶやき反響があればブログの記事にすることを繰り返して、自分のアイデアと人々のニーズをさぐり「エッセンシャル思考」を書き上げたそうです。
  • 行動の習慣化
    習慣は誘惑に負けないための最大の武器です。習慣によって、重要なことを自然にできるようになります。
  • いまなにが重要かに集中する
    過去を悔やまず将来の不安に囚われない、マインドフルネスにも通じる考え方です。いま目の前にある問題を考えます。
  • 固定観念を捨てる
    人の期待には応えなければならない、すべてに全力投球などの考えに囚われず新しい習慣を身につけましょう。

まとめ

エッセンシャル思考とは、常に重要なことだけを選んで生きることです。

そのためには重要なことの見極めとそれ以外のものの切り捨てを、自動的に実行できる仕組みを作る必要があります。