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フリーランス(個人事業主)から法人化を考えるポイント解説

フリーランス(個人事業主)から法人化を考えるポイント解説
2021年4月19日

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フリーランスとして働く人は、事業が軌道に乗ってくると一度は法人化ということを考えるのではないでしょうか。

そこでここでは、個人事業主が法人化することのメリットとデメリットを詳しく解説し、合わせて法人化の方法についても紹介します。

フリーランスが法人化するメリット

フリーランス(個人事業主)から法人化することでどのようなメリットがあるのでしょうか。

所得税を抑えられる

フリーランスで働く人がある一定の収入額を超えると法人化を考える、という話を聞いたことがあるかもしれません。

個人の収入にかかる「所得税」と、法人の所得にかかる「法人税」には大きな違いがあります。

所得税は累進課税となっており、最低5%から最高45%まで収入に応じて税率が上がりますが、法人税は所得金額に関わらず税率は15%で固定です。所得が330万円以下の場合は所得税率は10%で法人税より低い税率ですが、330万円を超えると20%で逆転します。

従って、所得が330万円を超えたら法人化した方が所得税を低く抑えられるということになるのです。

消費税が2年間免除される

資本金が1,000万円未満の場合、会社設立から2年間は消費税の免除を受けることができます。

これは消費税免税事業者の判定基準が、資本金1,000万円未満であることに加え「2期前の課税売上高が1,000万円未満」であるとされているためです。

会社設立から2年間は「2期前」というものが存在しないので、自動的に消費税は免除されます。

もしフリーランスのときに売上高が1,000万円を超えても、そこから2年以内に法人化すれば、トータルで4年間消費税の免除が受けられることになります。

社会的な信用が得られる

「個人」と「法人」では社会的な信用が段違いである、と感じたことがある人もいるでしょう。

個人とは契約したくないが法人なら契約する、という企業も存在しないことはありませんし、銀行で融資を受けるにしても個人より法人の方が信用がある分有利です。

さらに賃貸やクレジットカードの審査でも有利になるなど、社会的なメリットは非常に大きいものがあります。

いいことばかりではない!法人化のデメリットとは?

もちろん法人化することでデメリットもあります。

赤字のときでも住民税はかかる

ある程度所得が上がると所得税より法人税の方が有利であると説明しましたが、住民税に関しては法人の方が不利な点があります。

それは「均等割り」です。

個人の場合は赤字なら住民税は均等割りも含めて0になりますが、法人の場合は赤字でも均等割りだけは納付しなくてはなりません。

その金額は自治体により、あるいは法人の規模により異なりますが、最低でも年7万円は払う必要があります。

経営が安定している場合は良いのですが、年によってアップダウンがある場合、この均等割りの負担が重くのしかかってくることがあるので注意が必要です。

社会保険料の負担が重い

一定の要件を満たす法人には社会保険への加入義務があり、毎月の社会保険料は社員と会社が折半で負担します。

従業員を雇えばその分会社の負担が増しますし、家族に従事させる場合でも会社経費で保険に加入できるというメリットがある一方で、保険料の半分は会社持ちなので負担が増えてしまうということも覚えておく必要があるでしょう。

事務手続きが煩雑

法人化すると個人に比べて会計処理は煩雑になりますが、特に大変なのは法人税の申告です。

個人で行う確定申告に比べてはるかに難易度が高いため、多くの場合専門の会計事務所などに委託することになりますが、当然コストがかかります。

交際費に上限がある

個人事業主の交際費はすべて経費で落とすことができますが、法人の場合は損金として算入できる金額に上限があります。

期末の資本金額または出資金の額が1億円以下の法人では、損金に算入できるのは年間800万円まで、もしくは接待飲食費の50%までです。

法人化するにはどのような手続きが必要なのか

それでは、実際に法人化する際にはどのような手続きを踏むことになるのか解説します。

基本事項の決定と印鑑の準備

会社を興す際にはあらかじめ決めておかなくてはならないことがあります。

まずは社名と事業目的です。

社名は既存の会社に同じ名前や似たような名前がないか注意する必要があります。

さらに役員構成や会社の所在地、資本金の金額も明確にしなくてはなりません。

フリーランスの場合自宅で仕事をしている人も多いかもしれませんが、賃貸マンションなどでは自宅を会社の本店とすることは契約違反になる場合もあるので注意が必要です。

また、この段階で会社の実印・角印等の印鑑も作成しておきます。

定款等必要書類の作成と認証・資本金の払込

基本事項が決まったら、それらを含めた「定款」を作成します。

その他に必要な書類は会社の形態(株式会社か合同会社か)や役員構成などによって異なるので、法務局のサイトで確認しましょう。

出来上がった書類は法務局と公証人役場に提出して認証を受けます。

認証を受けたら資本金の払い込みを行いましょう。

登記申請

資本金の払い込みが済んだら「会社設立の登記申請書」を作成して、法務局に提出します。

審査を受け、問題がなければ登記完了となります。

なお、登記申請の際には出資金払込証明書が必要であり、手続きは払込から2週間以内に行わなくてはなりません。

設立後に行うこと

法人の設立が完了したら、2カ月以内に税務署及び都道府県や市町村に「法人設立届出書」を提出します。

税務署へは「個人事業の廃業届出書」の提出も必要です。

次に会社名義の銀行口座を開設し、事業に関わる資産はすべて個人から会社に移します。

その他に各種社会保険への加入も必要です。

健康保険や厚生年金は年金事務所へ、労災保険は労働基準監督署へ、雇用保険はハローワークへそれぞれ必要な届を出して加入します。

オンラインで手続きできる便利なサービス

法人化の手続きはこのように煩雑であり、特に副業としてフリーランスで働いている人の場合は時間的な制約も厳しいでしょう。

その場合には法人設立ワンストップサービスを利用するのが便利です。

これは内閣府がマイナポータル内に設けているサービスで、法人設立の手続きをワンストップで行うことができます。

24時間いつでも利用でき、来庁の必要もないので忙しい人にはうってつけといえるでしょう。

まとめ

節税のために法人化しようと考えるフリーランスの人は多いかもしれませんが、そこにはメリットだけでなくデメリットもあることを忘れてはなりません。

本当に法人化した方が良いのかどうか、メリット・デメリットなど、あらゆる条件を考えあわせて慎重に判断したほうが良いでしょう。

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