転職を考えるきっかけとして、「会社の将来性」を心配する人は少なくありません。
社長の判断により会社の売上が大きく落ち込むこともあります。そうなれば会社経営を続けることも難しいでしょう。会社の行く末は経営者の手腕によって左右される部分が大きく、経営者が無能では会社の将来性も危ぶまれます。
この記事では、そのような会社に長居してしまわないよう、「ダメな経営者」の特徴について考えてみたいと思います。
多くのことを決断する社長。トップの力以上に会社は成長できないんじゃないでしょうか。
無能な社長が会社をダメにする理由
経営者が無能だと会社の業績などに悪い影響を及ぼすというのは、何となくイメージできる方が多いのではないでしょうか。
しかし、なぜ経営者の能力で会社の良し悪しが決まるのか、詳細に理解できている方はそれほど多くありません。
そこで、まずはなぜ経営者が無能だとダメな会社になってしまうのか、その理由をいくつかご紹介していきます。
会社を成長させられない
無能な経営者であったとしても、社員が優秀であれば、会社がすぐに倒産するということにはなりません。しかし、一方で全く会社が成長しない事態になる可能性が高いです。
ビジネスのセンスが欠けていたり、お金をかけてチャレンジする勇気が足りなかったりと、無能な経営者は会社を成長させる見込みがあまりありません。社員が優秀であればしばらくは経営が続くかもしれませんが、月日が経つにつれ徐々に状況が悪化していき、最終的に倒産してしまうでしょう。
また、能力がないというだけでなく、「無能な経営者の多くが保身的」というのも、会社が成長しない大きな要因です。
自分の立場を守ることに注力するあまり、経営における視野が狭まり、結果として自ら会社の経営を悪化させていくケースも珍しくありません。
責任者として適切な判断ができない
経営者が会社全体の管理・統括を行うことも多く、社員が打ち立てた施策や企画実行の最終決定を迫られるケースがよくあります。
会社の成長を左右する重要な場面ですが、無能な経営者の場合はその施策や企画に将来性はあるのか、適切に判断することができません。したがって、人気コンテンツとなるような商品・サービスの企画を考えなしに棄却したりして、自ら事業拡大のチャンスを逃してしまうのです。
新規に事業を開始する際のプランニングにおいても判断力の低さが仇となり、「不必要に資金を調達し、結果として大きな負債を抱えてしまう」といった失敗をする可能性も少なくありません。
人を見る目がない
会社の成長を左右する要素として、経営者の手腕以外に「社員の能力」も非常に重要です。
どの会社も基本は少人数からスタートするため、経営者が率先して面接や採用を担当する傾向にあります。
有能な経営者であれば、そこで必要とする人材の獲得に成功し、会社を大きくしていくところですが、無能な経営者の場合はそううまくはいきません。人材の獲得には、学歴や職歴といった経歴およびスキルの他、その人のパーソナリティをしっかり見極めることも重要になります。
ダメな経営者はこのパーソナリティの見極めを苦手とすることが多く、本質的に有能な社員の獲得に苦労してしまうのです。
結果として、会社に寄与する人材の獲得に失敗し、会社をダメにする可能性が高いと言えます。
社員のモチベーションが保たれない
経営者が無能な場合、会社に属する社員に対しても悪影響を与えることがほとんどです。
有能な経営者であれば、会社の業績には社員の働きが必要不可欠だと考え、福利厚生の充実やインセンティブの導入といった施策で社員のモチベーション向上を図ります。
一方、無能な経営者は社員のためを思った施策の導入をすることが少なく、「働くのが当たり前」といった考えからブラック企業同然の勤務体制を確立させてしまうこともあります。
そういった環境下では当然ながら社員のモチベーションが徐々に下がってしまい、結果として退職率が増え、会社の経営もままならなくなる可能性が高いです。
無能な社長の特徴
これまで無能な経営者が会社をダメにする理由を紹介してきましたが、具体的にどういった経営者が”無能”なのでしょうか。
ここからは、これまでの内容を踏まえながら、無能な経営者の特徴を詳しく解説していきます。
パワハラやセクハラを日常的に行う
経営者としてというより、人としてそもそもダメな経営者の場合、部下に対してパワハラやセクハラといった悪質な行為をしていることがあります。
有能な経営者であれば部下に対してハラスメント行為をすることはほとんどないため、経営者がハラスメントを行っているのであれば、無能な経営者だと見限ってしまっても良いでしょう。
社員のことを大切にできない
ハラスメントにも通ずるポイントですが、「社員のことを大切にできない」というのも無能な経営者の特徴です。
前述したように、福利厚生の充実など、社員に利益を与えることは経営において重要な点になります。もちろん、優秀な経営者はそれらの施策を駆使し、社員のモチベーションを向上・維持させることで会社の業績を伸ばそうとするのです。
逆に、無能な経営者の場合はどうしても目先の成功や業績ばかり気にかけてしまい、社員のことまで配慮する器量がありません。
結果として、社員を使いつぶしたり、無理やり働かせて業績を伸ばそうとしたりしてしまうものです。
反対意見を取り入れない
無能な経営者ほど、不要なプライドを持っていることが多くあります。
経営者という立場にうぬぼれて自身の能力を客観的に判断できないこともあり、部下を下に見ることは珍しくありません。したがって、部下から何か反対意見が出れば、それを「反抗的な態度」として見てしまうことが多く、反対意見には耳をかさなくなるのです。
そういった経営者の場合は自身の周りをイエスマンで固めることが多いため、社長の顔色を窺っている上司がいるかどうかで経営者の能力を判断することもできます。
前に進もうとしない
無能な経営者であっても、それなりに規模のある中小企業を経営しているケースがあります。
そういった経営者の中には、過去に何かしらの成功体験を得ている方も少なくありません。そういった体験をすること自体には全く問題はありませんが、無能な経営者の場合、過去の成功体験に囚われ、前に進もうとしないという問題があります。
例えば、たまたま何かの事業がヒットした場合、その事業を継続的に続けていき、少し業績が落ちたら形を変えて同じような事業を再展開するといったことを繰り返します。
最終的に市場の動きについていくことができなくなり、時代遅れのビジネスで会社の業績を悪化させる可能性が高いと言えるのです。
有能な経営者であれば、常に新しいビジネスチャンスを探すなど前に進もうとする意志を強く持っているため、経営スタイルが前進的かどうかで経営者が無能な否かを判断することもできます。
まとめ
経営者は過去の成功体験や経験にとらわれず環境に合わせた適切な判断が求められます。
時代によって求められるトップの姿は異なりますが、自分はいつまでも変わらず会社の成果が上がらないことを従業員や他人のせいにしている社長では、その会社の将来は危ういのではないでしょうか。
正解のない時代。働き手として上からの指示や意見を鵜呑みにせず、自分の目で企業や社長の資質を判断できる力を養っていきましょう。
ダメな経営者の特徴を紹介しましたが、社長に限らず、リーダーとして一人ひとりが心がけておきたいポイントではないでしょうか。