【2030年に生まれる新業界!?】気になるテーマ:水素ビジネス

【2030年に生まれる新業界!?】気になるテーマ:水素ビジネス

水素ビジネスは、かつてないほどの勢いを見せており、世界中で政策やプロジェクトの数が急速に拡大しています。水素は「将来的にクリーンで安全なエネルギーとして重要な一部となっていくだろう」と世界規模で考えられているのです。

この記事では、将来的に注目されている水素ビジネスとは何か、どのような社会的影響があるのか、関連する業界の取り組みなどを解説します。

水素ビジネスとは?

水素の特徴

水素とエネルギーは、200年以上もの長い歴史があり、現代の精製業に不可欠な存在となっています。水素は軽く、貯蔵性があり、エネルギー密度が高く、汚染物質や温室効果ガスを直接排出することがありません。

水素は、石油や天然ガスなどの化石燃料、メタノールやエタノール、下水汚泥、廃プラスチックなど、さまざまな資源からつくることができるのが特徴ですが、天然ガスや石油など化石燃料を改質して製造する場合は製造する時にCO2が排出されてしまいます。

製造の際にCO2を排出する化石燃料をベースにつくられた水素は「グレー水素」と呼ばれ、製造工程で排出されたCO2を貯留・利用する「CCS」「CCUS」と呼ばれる技術と組み合わせ、CO2排出をおさえた水素を「ブルー水素」と呼びます。さらに、製造工程において再生可能エネルギーなどを使いCO2を排出せずにつくられた水素は「グリーン水素」と呼ばれます。

現在は化石燃料をベースにつくられた水素が主流ですが、今後はブルー水素やクリーン水素などのCO2フリー水素が求められます。

水素ビジネスの可能性

水素を直接支援する目標、義務、政策インセンティブは約50あり、その大半は輸送に集中しています。今後、輸送、建物、発電など、水素がほとんど使われていない業界で採用されることによって、水素がクリーンエネルギーとして大きく移行していくことが期待されています。

水素ビジネスにおける競争はすでに始まっており、今後10年で製造はより安くなり、貯蔵や使用もより簡単になるでしょう。当然のことながら、誰もが水素が未来のエネルギーであると確信しているわけではありません。

しかし、新しい水素の実証プロジェクトが毎日のように立ち上げられ、事態は急速に進展しているのは事実です。各国は、水素市場を構築するための戦略を策定し、スタートアップ企業や中小企業、そして研究者は、水素のバリューチェーン全体にわたって活動しています。

水素ビジネスの社会的な影響

工業分野での活用

水素は、石油精製、アンモニア製造、メタノール製造、鉄鋼製造などの工業分野で多く使用されています。これらの水素のほとんどは化石燃料で供給されているため、クリーンな水素による排出量削減の可能性は大きいでしょう。

輸送においては、水素燃料電池自動車の競争力は、燃料電池のコストと燃料補給ステーションに依存し、トラックでは、水素の供給価格の低減が優先されます。海運と航空は、低炭素燃料の選択肢が限られているため、水素ベースの燃料を利用する機会があります。

高い柔軟性

建物では、水素は既存の天然ガスネットワークに混合される可能性があり、特に密集した都市にある集合住宅や商業ビルで最も高い可能性を秘めています。

発電では、水素は再生可能エネルギーを貯蔵するための主な選択肢の一つであり、水素とアンモニアはガスタービンに使用することで電力システムの柔軟性を高めることができます。

また、アンモニアは石炭火力発電所で使用することで、排出量を削減することが可能です。このように、水素ビジネスが社会に与える影響はわかりやすく、今後さらにその可能性は拡大していくと考えられています。

高まる支持と企業の取り組み

業界における高い支持

世界的にエネルギー分野のビジネスが流動的な中、水素の汎用性には、さまざまな政府や企業がより強い関心を寄せています。そのため、エネルギーの輸出入を行う政府、再生可能エネルギー供給会社、産業用ガス製造会社、電力・ガス会社、自動車メーカー、石油・ガス会社、大手エンジニアリング会社などは、都市を中心に支持を集めているのです。

太陽光発電、風力発電、バッテリー、電気自動車といった近年の成功は、政策と技術革新がグローバルなクリーンエネルギー産業を構築する力を持っていることを示しました。そういった中で、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーのコストが低下していることから、電解水素への関心が高まっています。

コストへの注目

太陽光発電や風力発電のコストが低下する中、再生可能資源に恵まれた場所に電解槽を建設することは(遠隔地にあることが多い)再生可能エネルギー拠点からエンドユーザーまでの水素輸送にかかる送配電コストを考慮しても、低コストな水素供給オプションとなり得ます。

水素はすでに一部の産業で広く利用されていますが、クリーンエネルギーへの移行をサポートする潜在的な可能性をまだ実現していません。そのような障壁をさらに克服し、コストを削減するためには、挑戦的で的を絞った行動も必要になるでしょう。

水素ビジネスは、あらゆる重要なエネルギー問題への取り組みに貢献しており、長距離輸送、化学、鉄鋼など、実質的な排出削減が困難なさまざまな分野で脱炭素を実現していくことができます。

大気汚染を改善

水素は、大気の質を改善し、エネルギー安全保障を強化することも可能です。非常に野心的な国際的気候目標にもかかわらず、世界のエネルギー関連のCO2排出量は2018年に過去最高を記録しました。

また、屋外の大気汚染も依然として喫緊の課題です。水素は多用途であり、その利用可能な技術によってさまざまな方法でエネルギーを生産、貯蔵、移動、利用することができます。

自然エネルギー、原子力、天然ガス、石炭、石油など、さまざまな燃料で水素を製造することが可能であるうえ、ガスとしてパイプラインで輸送する、あるいは液化天然ガス(LNG)のように液体で船舶で輸送することができます。

燃料としての活用

電気やメタンに変換して家庭の電力や産業に供給したり、自動車、トラック、船舶、航空機の燃料にしたりすることも可能です。さらに、水素は、太陽光発電や風力発電のような、需要と供給が必ずしも一致しない自然エネルギーの可変出力を助ける可能性も秘めています。

このように、水素はエネルギーを貯蔵するための主な選択肢の一つであり、数日、数週間、あるいは数カ月にわたって電気を貯蔵するための最も安価な選択肢となり得るでしょう。

水素ビジネスに関連する需要は?

世界的な見方として、長期エネルギー戦略における水素の役割を確立するため、国、地域、都市政府をはじめ、企業も明確な長期目標を持つべきであるとされています。

水素の商業的需要が期待される主な業界

  • 精製・化学
  • 鉄鋼
  • 貨物・長距離輸送
  • 建物
  • 発電・貯蔵

今後の課題と将来性

コスト削減と並んで、燃料電池、水素燃料、電解槽(水から水素を製造する技術)を含むコスト削減と性能向上のための研究開発も重要視されています。

研究課題を設定し、リスクを取り、イノベーションのために民間資本を呼び込むためには、公的資金の活用を含んでいかに政府が行動するかがポイントになってくるでしょう。プロジェクト開発者は、現状では、規制や許可要件が不明確であったり、新しい目的にそぐわなかったり、部門によって一貫性がなかったりするハードルに直面するかもしれません。

しかし、今後、知識を共有し、規格が統一されることで、設備、安全性、異なる排出源からの排出認証などの確立が期待されているのも事実です。

【水素ビジネス】社会的な影響はわかりやすく、関連業界の将来性もある

水素ビジネスや関連業界は、今後10年間でさらに勢いを増すでしょう。既存の工業港を最大限に活用し、より低コストで低炭素の水素を供給したり、既存のガス・インフラを利用して、新しいクリーンな水素供給に拍車をかけたりすることなどが期待されています。

インフラ開発の規模拡大、投資家の信頼強化、コスト低減の影響がわかりやすくなっていくことで、新たな雇用やそれぞれのキャリアアップも生み出されるはずです。