失敗したときのことを考えるとなかなか一歩踏み出す勇気が持てない。何事もチャレンジすることは大切だとわかっていても、実際に行動に移すには大きな壁があります。
複業やパラレルキャリアなど、チャレンジできる機会が増えるほど、かえって何に取り組んで良いかわからなくなってしまうこともあるでしょう。
この記事では、これまでオモシゴカフェを通じて議論してきた内容を参考に、勇気を持って一歩踏み出すために必要なことを考えてみたいと思います。
これからの働き方”をテーマに、気楽に話し合える場として運営しています。「教える」「教わる」という場ではなく、みなさんの意見や思ったことを言葉にして「話す」「聴く」ことで自分の中での気づきや学びを得ていただく、対話を大切にしています。ホストとゲストがこれからの働き方について自由に気楽に語り合います。
対話
オモシゴカフェでは、相手の抱える事情や背景に目を向け、その状況を理解した上で自分と共有できるポイントを見つけ出し、これまでとは違う眼差しで相手を認めることを、対話と呼んでいます。
一歩踏み出す勇気が持てない理由
慣れ親しんだ環境や仕事から離れるときは誰でも不安になるものです。居心地がよく不安のない環境から抜け出し、変化を受け入れることは良くも悪くもストレスがかかります。
元GEのノエル・M・ティシー氏の「人間が成長する3つのメカニズム」では、この「居心地がよく不安のない環境」をコンフォートゾーンと呼んでいます。
コンフォートゾーンでは、あまり不安を感じず自分の持つスキルでほとんどのことに対応できます。無理をしなくても快適な環境を維持できる状態です。
新たな一歩を踏み出すということは、コンフォートゾーンの外に出ていくこと、と言えるでしょう。
一歩踏み出すことで始まる好循環
オモシゴカフェで、「一歩踏み出す」をテーマにワークショップを開催したことがあります。
そこでは『ひっこみ思案のあなたが生まれ変わる科学的方法(著 アンディ・モリンスキー、訳者 花塚恵、出版社:ダイヤモンド社)』の中の「一歩踏み出すことで始まる好循環」のフレームを取り上げました。
不安を押しのけ、思い切ってコンフォートゾーンの外に踏み出すことで、想像していたよりも辛くないことに気づく。自分にもできるという自信を得ることで、不安が軽くなり、また新たな一歩を踏み出す好循環が始まるとしています。
学生時代のイベント、地域活動や社外研修など、参加する前は乗り気ではなかったが、終わってみると充実した時間を過ごせたという経験を持つ人は多いのではないでしょうか。
私も人前で積極的に発言することに苦手意識があります。場づくりやファシリテーションなどはできれば避けたいタイプの人間です。そんな私がオモシゴカフェという座談会を始めたことで考えが変わっていきました。
活動を始めたばかりの頃、開催前は不安で憂鬱な気分になっていましたが、終了後に得られた充実感と次はもっと良い場にしたいという感情が回を重ねるごとに大きくなっていきました。
場づくりやファシリテーションの魅力を知ったことで、もっと学びたい成長したいという気持ちに変わっていったのです。
オモシゴカフェは、「働き方」について多くの人から意見や課題をヒアリングしたいと思いスタートしました
運営方法や自分のファシリテーションに不安はありましたが、終了後の充実感や達成感がモチベーションとなり続けることができたと思います。
実行の壁(ハードル)を取り除く
ワークショップでは「好循環」のプロセスを分解していきました。
インプットとアウトプット
情報収集やスキルアップのための学びは必要ですが、実行するというアウトプットの前には「壁」が存在します。特に万全な準備をしてから行動しようと考えてしまうとアウトプットの機会が限られてしまいます。
スモールスタートやベイビーステップという言葉がある通り、ある程度準備が整えば小さな一歩としてまず「やってみる」ことで結果が生まれ、その結果から学び次の行動へ移すことができます。
インプットは続けているもののいつまでもアクションに移せないという場合は、失敗を前提とした気軽にチャレンジする姿勢を持つことが大切です。
行動する目的と意味を整理する
頭では十分にわかっているものの、なかなか行動に移すことができないという場合は、「スキル」と「リターン」の軸で整理してみることをおすすめします。
アクションを起こす目的を整理することで、やるべきことが明確になってきます。後はできるだけ心理的なハードルが低い行動から始めてみると良いでしょう。
一歩踏み出すための7つの質問
最後に、実行の壁を乗り越え行動に移すためのチェックリストを用意しました。
チャレンジしたいことがあるがまだ迷いがあるという方は、次の質問に答えてみてください。
【必要性】
【リスク】
【リターン】
やりたいことがあるなら、「できない理由」を考えるよりも、「できる理由」を考えた方が行動につながるはずです。
まとめ
新型コロナウィルスの拡大により社会は大きな変化を迫られています。コロナ禍のいま、たくさんの人と出会い、話を聞き、刺激を得る場はそれほど多くないでしょう。
オンラインイベントは場所の制限を受けずインターネット環境があれば気軽に参加できます。
ひとりで悩むより他者の意見を聞きフィードバックをもらうことは有効です。SNSやclubhouseなどの新しいサービスを利用することで自宅にいながら多くの人と繋がることもできます。
働き方は多様になり、プロボノや副業、パラレルキャリアにチャレンジできるサービスもうまれています。数年先を予測することが難しい状況だからこそ、まずは出来ることからチャレンジしていくことが大切でしょう。