こんにちは、オモシゴの村中です。
みなさんにとって社会に出て働くことは当たり前のことですか?
仕事と割り切って働いても、納得いかないことに腹が立ち、働く意味を見失ってしまうことがないでしょうか?
仕事や働き方に悩みがあっても、趣味や遊びでストレスを発散させ、また仕事に戻る毎日を繰り返す。
ワークライフバランスを保つことは大切ですが、 一方で、人生で多くの時間を費やす仕事だからこそ、職場で気軽に相談できたり、本音を言い合える仲間の存在はとても大切だと思っています。
今回は「オモシゴ」の運営を通じて学んだ、本音で語ることの価値について考えてみたいと思います。
これからの働き方”をテーマに、気楽に話し合える場として運営しています。「教える」「教わる」という場ではなく、みなさんの意見や思ったことを言葉にして「話す」「聴く」ことで自分の中での気づきや学びを得ていただく、対話を大切にしています。ホストとゲストがこれからの働き方について自由に気楽に語り合います。
対話
オモシゴカフェでは、相手の抱える事情や背景に目を向け、その状況を理解した上で自分と共有できるポイントを見つけ出し、これまでとは違う眼差しで相手を認めることを、対話と呼んでいます。
2017年1月、大阪の心斎橋にあるカフェでオモシゴの活動をスタートしました。
当時はパラレルキャリアやサードプレイスという言葉を聞くようになり、「これからの働き方」をテーマにしたイベントもたくさん開催されていましたが、場づくりという認識はなく、働き方についてどんな課題や悩みがあるのか、参加者からお話を聞かせていただく場として運営していました。
「聞く」ことにフォーカスしたことが、働き方を考えるうえで、たくさんの気づきを与えてくれました。
対話から働く理由がみえてくる
ここ数年、対話の重要性が言われています。多くの人が初対面という状況で開催するオモシゴで対話の価値を知りました。
自分と向き合う
オモシゴでは、働き方をテーマに毎回いくつかの問いを投げかけています。
簡単ですが答えのない問い。一人ひとり自分なりの考えを付箋に書いてもらい発表してもらいます。
さらに説明を聞いた他の参加者からもいろいろと質問が出てきます。
誰かを説得するためではなく、問いに対して自分の言葉で説明することで本人も気づいていなかった発見があります。
ポイントは、うまく話そうとせず思い浮かんだ自分の言葉で話すことです。
自分の言葉から自分を知る
自分が話していることは、自分の耳にも届いている。
思ったことや感じたことを言葉に出し、あらためて自分自身で聞くことで、俯瞰的に自分を捉えることができます。
納得して話している言葉もあれば、自分でも意外なことを言っているなと驚いた経験のある方も多いのではないでしょうか。
自分が発する言葉に耳を傾けることは、自分自身を理解することにつながります。
相手の言葉から自分を知る
話した内容や日々の行動に対する相手からのフィードバックはとても大切です。
自分では見えていなかったことや考え方など、たくさんの気づきを得ることができます。
もちろん全てを受け入れる必要はありませんが、見えていなかった点など、自分のことを知るきっかけになるでしょう。
仲間を知ることで互いにサポートできるようになる
オモシゴは「聞く」ことにフォーカスしてスタートしました。
その結果、互いに聞く姿勢を持ち対話することで、参加者の相互理解が進む場となりました。
相手の言葉を素直に聞く
まずは相手の話を聞く姿勢が必要です。
相手の話している内容を聞きながら、次に自分が何を言おうかと考え出すとその時点で相手の話が耳に入らなくなってしまいます。
聞くことを意識して、私自身に相手が話ている最中、すぐに別のことを考えてしまう癖があることに気がつきました。
相手の顔を見て、余計なことを考えず相手の話している言葉に耳を傾けることがスタートです。
相手の発言の意図を考える
相手の言葉を素直に聞くことができれば、その言葉の意図を考えるようにしましょう。
ここでも、自分の考えや解釈ですぐに意図を判断することは避けたほうが良いでしょうか。
まずは、相手は自分とは違った解釈の軸を持っているという認識を持つようにしましょう。
相手の立場から物事を見る
自分とは違った解釈の軸を持っているという前提に立ち、相手が見ている風景を想像してみましょう。
まずは相手の立場で物事を捉えようとすることで、相手のことをより知ることにつながります。
挑戦や改善を生み出しやすい雰囲気が生まれる
働く目的を知り、相互にサポートできる環境が整えば、チームとして良い雰囲気が育まれていきます。
毎回オモシゴが終了すると、参加者どうしの繋がりがとても強まっていました。
目的に向かって歩んでいく
「フィードフォワード」は、時間軸を未来に置き解決策を話し合うという視点でアプローチする人材育成方法のひとつです。
解決策に焦点をあて、現時点からどのようなアクションを起こすことで最適な結果が生まれるか、メンバーの自主性や前向きな姿勢の育成に効果的です。
「これからの働き方」がテーマであるオモシゴでは、自然と未来に向けての対話が中心となりました。
参加者それぞれがフィードフォワードの姿勢を持つことで、コミュニケーションの円滑化や結束力の強化に繋がったと思います。
聞く姿勢は仲間との距離を縮める
相手のことを尊重して聞く姿勢を持って関わることで、良い関係を築くことができるでしょう。
ただし、相手と良い関係を築くことが目的とならないように気をつけましょう。
関係性の構築に視点がいくことで相手の顔色を見てしまい、本音が言えない関係になってしまっては、挑戦や改善を産む風土は育たないでしょう。
「心理的安全性」を高めることが、自由に意見を出し合える環境づくりの第一歩だと思います。
【心理的安全性とは】
心理的安全性とは、「サイコロジカル・セーフティ(psychological safety)」を日本語に訳した言葉です。チーム内での無知や無能と思われるリスクのある発言や行動をしても、このチームなら大丈夫と思える、気兼ねなく自分らしくいられる文化のことを言います。Googleのリサーチ結果では、心理的安全性の高いチームのメンバーは、離職率が低く、多様なアイデアをうまく利用する、収益性が高く、「効果的に働く」と評価される機会が2倍多い、などの特徴があったそうです。
聞く力はこれから大切なスキルになると思う|聞くことを大切にすると良い場ができた
「本音で話せる場」を作るポイント
聞く姿勢を持つことや心理的安全性を高めることは、簡単なことではありません。
しかし、具体的な方法や環境作りについて考えることで、これらの取り組みを行いやすくなります。
まず、聞く力を高めるためには、話し手に集中して話を聞くことが必要です。
具体的な方法として、話し手が話している最中に、自分自身が思い浮かべた答えや次に話すことを考えるのではなく、話し手が伝えたいことに耳を傾けるようにしましょう。
相手が話を終えた後に、その話に対して自分なりの考えや質問を投げかけることで、相手に対する理解を深めることができます。
また、心理的安全性を高めるためには、信頼関係を築くことが必要です。
自分自身が率先して率直な意見や感情を共有することで、他者も同様に話しやすい雰囲気を作ることができます。
定期的なフィードバックや挨拶など、日常的なコミュニケーションを積極的に行うことも重要です。
組織文化として心理的安全性を大切にすることを明確に示すことも、取り組みを推進する上で重要なポイントになります。
聞く姿勢や心理的安全性を高めるためには、意識的な取り組みが必要ですが、これらの取り組みを行うことで、より良いコミュニケーションや仕事の成果を得ることができるでしょう。
まとめ
オモシゴに参加いただいた方の多くが「こんなこと職場でなかなか話せない」と言われます。
参加して良かったというコメントですが、たくさんの人から同じような感想をもらううちに、本当は会社の中で気楽に働き方について語り合える環境が必要なんじゃないかと思うようになりました。
上司部下など利害関係がある中で、本音で話す機会を持つことは難しいと思いますが、コロナ禍でリモートワークが増える状況では、これまでとは異なるコミュニケーションが必要になってくるでしょう。
今はオンラインの活動が中心となり試行錯誤が続きますが、引き続き本音で話せる場として対話の機会を創っていきたいと思います。