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10年・20年後、子供たちが気持ちよく働ける世の中にしたい|村中 督史さん【キャリアノヒント|ストーリー】

10年・20年後、子供たちが気持ちよく働ける世の中にしたい|村中 督史さん【キャリアノヒント|ストーリー】
2022年9月5日

人生100年時代となり「キャリアは自己責任の時代」などと言われるようになりました。終身雇用制度の崩壊や多様な働き方を推進する働き方改革など、労働環境も大きな転換期を迎えています。

リクナビが以前に実施した調査では、転職活動をしたことがある人は6割以上、40代では8割を超えるという結果になるなど、転職が当たり前な社会となるなかで、自身のキャリアに責任を持ち計画・行動することを難しく感じる人も大勢いるのではないでしょうか。

今回は、当オモシゴジャーナルを運営する村中督史のお話をお届けします!

波多楽くん
波多楽くん

【キャリアノヒント】村中督史さんのストーリー。

村中 督史

広告・デザイン業界に従事。デザイン・編集、ディレクション、顧客折衝など、現場業務に幅広く取り組む。東京支店の立上げ、新会社のメンバーとしてシニア向けビジネスの開発を担当する。その他、ライツビジネス(版権)やコラボレーション商品の開発に携わった後、現在はフリーランスとして、BtoBマーケティング・デジタルマーケティング領域を中心としたWEB制作/コンテンツ企画など企業のマーケティング活動をサポート。これからの働き方を考える【オモシゴジャーナル】を運営。

これからの働き方やキャリアを考えるためのヒントを探ります。

皆が感じている働き方に関する課題や悩みを解決したい

いまどのようなお仕事をされていますか?

  • 村中さん

ふたつの取り組みがあります。

ひとつ目はフリーランスとして企業のマーケティング業務のサポートをしています。具体的にはマーケティングオートメーションツールの導入支援から、WEBサイトの制作ディレクション、コラム記事やホワイトペーパーと言われるダウンロード資料の作成支援です。僕自身はデザイナーではなく、ディレクターとして全体の企画からプロジェクトの管理を担っています。

ふたつ目は、こちらのオモシゴの活動です。「これからの働き方」をテーマにした情報配信のほか、キャリアや働き方に関するオンラインイベント開催しています。

今後はオモシゴの活動に注力したく、現在サービスの立ち上げを進めています。

いつからいまのお仕事を始められたのでしょうか?始めたきっかけも教えてください。

  • 村中さん

2018年10月に創業しました。2013年に子供が産まれ、この子が大人になるころにはどんな世の中になっているんだろう?どんな仕事につくんだろう?毎日が楽しく暮らしていけるんだろうか?と考え出し、「これからの働き方」に関心を持つようになりました。

そして2017年に「オモシゴカフェ」という、これからの働き方を考える座談会をスタートしました。「オモシゴカフェ」で出会った人たちから、まずは働き方に関する悩みや課題をたくさん聞こうと思いました。

そして、課題や悩みを聞いたうえで、それらの悩みを解決できるサービスを作ろうと考えました。

「これからの働き方」に関心を持たれたということですが、それまではどのようなお仕事をされていたんでしょうか?

  • 村中さん

20代、広告制作会社を経て縁があり設立3ヶ月のスタートアップに参画しました。仕事ってなんだろう?自分には何ができるんだろうと考えていたころです。

今でこそ世の中にはスタートアップやベンチャー企業の話題があふれていますが、当時(2002年頃)はそんな言葉も知らず、ただ設立まもない何もない会社だからさまざまなことにチャレンジしなければならない、そうすることで社会を生き抜く力と自信が身につくのではないかと考えました。

想像通りなんでもやらなければならない環境、20半ばでなんの知識も経験もなく自分ではわからないことだらけでした。その時に学んだことは、立ち止まらずに動くということでした。できて間もない小さな会社です。動かなければ誰かが代わりをしてくれることはありません。動きながら打開策を見つけるしかないと思い、致命傷となるような大きな失敗だけはしないように、小さな失敗は気にせずひたすら前進するようにしたところ、案外うまくいくことを知りました。

30代は広告制作会社時代の先輩が立ち上げた会社に参加しました。そこも小さな会社でしたが20代での経験を活かし事業を成長させていきたいと考えました。

しかし事業を立ち上げることはできてもそこから成長させることの難しさを痛感することになりました。この頃はチャレンジがうまくいかなくて「安定」を求めた時期もありましたが、自分の気持ちに反した決断には後悔しか残りません。

なので30代は自身の志を定め、チャレンジしながらビジネスを学ぶことに集中しました。

そして、子供が産まれたタイミングに、20年後、自分の子供たちが気持ちよく働ける世の中になるような仕事をしていこうと決め、「これからの働き方」を中心とした活動を始めました。

子供の頃、夢中になった経験が活きる社会にしたい

不安に向き合っていたら「なんとかなるか」と思えるようになった

今の仕事に挑戦しようと思った時に不安はなかったのでしょうか?

  • 村中さん

「これからの働き方」をテーマに活動しようと決めた時は、これまでとはまったく畑違いな分野だったので何ができるか不安がありました。

ちょうど人手不足で社会は採用難となってきた頃。採用にもマーケティングが必要という観点で「採用マーケティング」という分野が広がってきていました。人事や採用は畑違いだけど、マーケティングなら得意分野です。そこで「採用マーケティング」というキーワードで「これからの働き方」に取り組み始めました。

あとひとつ、最も大きかった不安は2018年の創業前に感じた「独立してうまくいくのかどうか?」というものでした。

「独立してうまくいくのかどうか?」という不安。当時所属していた組織は先輩が立ち上げた会社でした。創業や起業というとカッコ良いですが、大企業でもなく、吹けば飛ぶようないつ潰れてもおかしくない中小零細企業です。

そんな組織を離れて独立しようとすることが、想像以上に怖く不安になりました。その会社に残っても独立しても、3年後に自分がどうなっているかわかりません。どこにいても安泰なんてことはあり得ない。なら独立して自分のやりたいことをやろう!そう考えたにも関わらず、一月半ほど毎日「オエ〜」と嘔吐いていました。

ただ毎日のように嘔吐いているとそのことにも慣れてきて、「まあなんとかなるか」となんの根拠もなく思えるようになりました。

どのようにして不安をうち消したかというと、「不安に向き合っていたらその状況に慣れて開き直ることができた」ということです。今もそうですが、なんとかやっていくしかありませんから(笑)。

今の仕事を選んで良かったと思うことはどのような点でしょうか?

  • 村中さん

今の仕事が好きなのかどうかはわかりません。ただ、昔から凝り性なところがあり、興味のないことには一切関心がないという性格のため、自分自身で決めた「これからの働き方」をテーマに仕事に取り組み、子供たちが気持ちよく働ける世の中にしたいという自分の想いに沿った仕事に取り組めているので、日々充実しています。

収入面の不安はいつまでたってもなくなりませんが、組織にしがみつくという感覚はなく、一つひとつの仕事が自分にとってどういう意味があるのか、仕事を依頼してくれる方やサービスを受け取る方がどんなことを期待されているのかを考えられるようになったことは自分にとって大きなことだと思います。

もちろん良い面ばかりではなく、長期的な視点で物事が考えづらくなっているところに課題を感じています。

業務委託などの受託業務は3ヶ月〜6ヶ月の契約が中心となるため1年先の仕事があるかどうかは不安定です。そのために複数案件を受ける必要がありますが一人でできる仕事には限界があります。全て目の前の案件の仕事だけでは日々の仕事に手一杯で長期的な視点で準備を進めることが難しくなります。

フリーランスとしての強みや提供価値が明確になり、実績を積み重ねることで選択肢は増えてくると思いますが、時間とスキルの切り売りではなく、価値を感じてもらえるサービスやビジネスモデルが必要です。

一人ひとりの魅力や良さを引き出したいという想いは以前から変わらず今も持ち続けている

「働き方」はこれからますます多様になっていく

村中さんは「これからの働き方」をテーマに活動されていますが、ご自身の「働き方」についてはどう感じられていますか?

  • 村中さん

独立したことで感じるのは、自分の裁量で物事を決めることができる点です。

会社員であれば自分の価値観や考えとは異なることを受け入れなければならならいことがありますが、嫌な仕事を受けるかどうかは自分で決めることができます。もちろん本意ではない仕事を受けることもありますが、自分の責任で決めることができます。

その意味でも、「これからの働き方」というテーマを判断軸として、いろんな仕事に関わることができるし、そのために独立したんだとあらためて思います。

ただ、コロナ禍によりオンラインで仕事をすることが当たり前になり、とても便利で快適に仕事ができる反面、人との接点や関わりが少なくなってしまいました。

仕事柄、場所にとらわれずに働くことができることは良い点ですが、リモートやオンライン中心の働き方を少し改善したいと思うようになりました。

無駄な移動で時間と体力を使うことは望みませんが、効率や生産性だけ考えるのではなく、もう少しいろんな場所でたくさんの人と仕事をする機会を持たなければ仕事も自身の知見も広がらないと感じています。

最後に、今の自分の働き方をどんな人におすすめしたいですか?

  • 村中さん

ぜひおすすめしたい!ということはありません。自分もまだ何かを成し遂げたわけでもありませんし、始まったばかりです。当然うまくいく保証はなく、もしかすると後悔することもあるかもしれません。

ただ、後悔するようなことがないように意思決定していきたいと思います。その点で、もし今の仕事が自身の望んだことでも決断したことでもないと思う方がいれば、まずはこの先の数年をどのように働いていくか自分で決めることをおすすめします。

会社員だけでなくいろんな選択肢を考えてみてください。 これから働き方はどんどん多様になってきますから。

波多楽くん
波多楽くん

村中さん、ありがとうございました!