こんにちは。オモシゴの村中です。
オモシゴの活動目的のひとつは「夢中になれる仕事や働き方が見つかる仕組みを創る」ことです。
理想とする仕事や働き方があったとしても、現状を変えることは簡単なことではありません。 まずは、ひとつずつ課題をクリアしていくことが大切です。
そこで今回は、一般的な仕事の悩みと解決方法について考えてみたいと思います。
オモロイワークスのビジョンは「一人ひとりが能力を100%発揮できる世界に」です。
仕事に関する悩み
厚生労働省の調査によると、「仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者」の割合は、 平成 29(2017)年は 58.3%となっています。
二人に一人が、仕事に関してなんらかの悩みを抱えています。 どのような悩みがあるか、具体的に見ていきましょう。
仕事の質・量(62.6%)
仕事その物の内容に関する不安が圧倒的に高く、60%を超えています。
自身が本当にやりたかった仕事なのか、自分にこの仕事は向いていないんじゃないか、と誰でも一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。
仕事の量としては、労働時間の長さは日本の特徴※です。働き方改革により労働時間の見直しが進んでいますが、簡単に仕事量を減らすことは難しく、生産性の向上が日本企業の課題です。
※出典:日本の労働時間は世界より長い?日本の残業がなくならない理由と対策とは?
仕事の失敗、責任の発生等(34.8%)
VUCA(ブーカ)時代※と言われる今、正解がない中で失敗が許されない状況やペナルティがある仕事は相当なストレスがかかるのではないでしょうか?
もちろん失敗が許されない職業や業務、場面もありますが、多くの仕事はチャレンジの中から学び成長していくものです。チャレンジを奨励し失敗から学ぶ文化が組織には必要だと思います。
※「VUCA(ブーカ)」とは、「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」の頭文字を組み合わせた造語。あらゆるものを取り巻く環境が変化し、将来の予測が困難になっている状況を意味する。
対人関係(30.6%)
職場だけに限らず、人が関わることで人間関係の悩みが発生します。
仕事に関わる人間関係の特徴は利害関係があることです。
社外の取引先はもちろん、上司や部下、同僚にも思っていることや考えていることを素直に話すことができないと考えている人も多いのではないでしょうか。
最近では、心理的安全性※が組織の生産性を高めるとして、ベンチャーやIT企業を中心に組織の在り方や従業員の関係性も変わりつつあります。
※心理的安全性とは「psychological safety(サイコロジカル・セーフティ)」の日本語訳です。チームで仕事を行う際、自分の発言や行動をメンバーから拒絶されたり、罰を与えられたりする心配がない状態のことをいいます。
仕事に関する悩みの解決方法
それでは、仕事の悩みはどのように解決されているのでしょうか。
エンジャパンが実施したアンケート調査では「誰かに相談する(51%)」がトップでした。
1位:「誰かに相談する」(51%)
8割が「仕事の悩みがある」と回答。悩みトップ3は「給与・待遇」「仕事内容」「雇用の安定性」。ー『エン派遣』ユーザーアンケートー
2位:「自分と向き合う」(31%)
3位:「趣味・遊びなど他のことで気を紛らわす」(27%)
相談相手は「家族・友人」「上司・同僚」
先ほどの厚生労働省の調査でも、 91.8%の人が「相談できる人がいる」と回答しています。
相談相手としては、「家族 ・ 友人」(85.3%)が最も多く、次いで「上司 ・ 同僚」(77.1%)でした。
産業医やカウンセラーなどの専門家への相談は10%未満となっています。
仕事について気軽に話せる環境
ひとりで抱え込まずに悩みを誰かに相談することは大事なことです。
話すことで気が紛れたり悩みが解決することがあります。仕事の内容や取り組み方、人間関係など、仕事の悩みの多くが相談によって解決できます。
ポイントはタイミングです。まだ大きな問題ではないが、仕事に関するちょっとした悩みや疑問を早めに相談できる機会を持つことが大切です。
問題が大きくなっていくことで、相談のタイミングが遅れ、相談した時にはできることが限られている、というのはよくあることです。
対話の機会を持つ
仕事に関する具体的な悩みなら、気軽に上司や同僚に相談できる環境があると良いでしょう。
最近では1on1を導入する企業も増えています。
企業や上司は、気軽に相談できる機会として1on1を運営できれば、企業にとってメリットは大きいはずです。
会社と社員の関係とは
経済的な点でも、働くことは生きていくために必要なことです。
どうせ働くなら経済的な目的だけでなく、生きがいや、やり甲斐を感じて楽しく働いていたいと思いますし、そんな環境を作りたいと思いオモシゴは活動しています。
今回の仕事の悩みに関する調査から、あらためて相談できる人や機会が必要だと感じましたが、本来、会社と社員はどのような関係にあるのでしょうか?
最後に会社と社員の法的な関係性について、知って役立つ労働法|働くときに必要な基礎知識(平成31年4月更新版)を確認してみたいと思います。
労働法
「労働法」という法律があるわけではなく、労働基準法や労働組合法をはじめとした、男女雇用機会均等法、最低賃金法など、働くことに関するさまざま法律をまとめて「労働法」と呼んでいます。
会社側と労働者側で、「働きます」「雇います」という労働契約が結ばれますが、契約内容が自由となれば、立場の弱い労働者が不利になるため、労働者を保護する労働法が定められています。
正社員だけでなく、派遣社員、契約社員、パートタイムやアルバイトでも、「労働者」として労働法の適用を受けます。一方で、フリーランスなどで「業務委託」や「請負」など、発注者から受けた仕事に対して報酬が支払われるような働き方は、事業主として扱われるため、基本的には労働法の保護を受けられません※。
※働き方の多様化により、現在フリーランスとして安心して働ける環境整備が進んでいます。
参考:フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン 概要版(パンフレット)
労働契約
労働法では、労働契約を結ぶ際は労働条件をしっかり明示することが義務付けられています。
さらに、特に以下の重要な項目は原則として書面を交付しなければなりません。
※労働契約を締結するときに、期間を定める場合と、期間を定めない場合があります。期間を定める場合については契約社員やパートタイム労働者に、期間を定めない場合については長期雇用を前提とする正社員に、それぞれ多く見られます。
これら以外の契約内容もできる限り書面で確認する必要があると定められています。
労働契約を結ぶことで、会社は「労働契約で定めた給料を払う」という義務を負い、社員として労働者は「会社の指示に従って誠実に働く」という義務を負うことになります。
厚生労働省で作成された、最低限知っておいてほしいルールをまとめたハンドブック「これってあり?~まんが知って役立つ労働法Q&A~」では、労働法についてわかりやすく解説されていますので、一度ご覧ください。
まとめ
具体的な仕事の悩みとなると、状況によってそれぞれ異なると思います。
だからこそ、どんなことでも相談できる相手の存在はありがたいもの。ただ、単なる気晴らしやストレス発散で終わっては、根本的な解決にはなりません。
職場内では、相談すること自体がストレスになってしまうこともあるでしょう。そんな時は、産業医やカウンセラーなど専門家に相談することで、心が軽くなることもあります。
あまりにも職場環境が悪いと感じるなら、不当な勤務条件でないか労働法を確認し、行政機関に相談することも必要です。
多様な働き方が広がることで、今までできなかった仕事に挑戦できる機会も増えてくるでしょう。そんな時のためにも、常日頃から安心して相談できる環境を持つようにしておきましょう。