転職をする場合、まずは求人サイトや転職エージェントを利用するのが一般的です。しかし現在、ソーシャルリクルーティングという採用方法を導入している企業が増えており、転職に活用することもできます。
ここではソーシャルリクルーティングについて詳しく紹介するので、是非参考にして下さい。
コロナ禍、オンラインでの就職・転職活動の導入が進んでいます。SNSを利用して採用活動を行う企業も今後増えてくるのではないでしょうか。
ソーシャルリクルーティングとは
ソーシャルリクルーティングとは、FacebookやTwitter、InstagramといったSNSを活用した採用活動のことです。
2010年頃から日本でも、ソーシャルリクルーティングが徐々に浸透し始めていました。しかし、その頃はSNSが広がり始めた初期であり、SNS利用者の大半が20代の若者でした。
総務省の調査によると、2012年のSNS利用率は20代では80%以上で、30代は60%、40代は40%程度という結果が出ています。そのため当時のソーシャルリクルーティングは、新卒採用でのみ活用するという企業がほとんどでした。その後、2016年になると年代問わずSNSが普及しました。
30代の利用率は90%を超え、40代でも80%ほどにまで増加しています。そうした流れを受け、多くの企業が中途採用にもソーシャルリクルーティングを導入し始めました。
今では30代や40代の方の転職活動でも、ソーシャルリクルーティングを活用することは重要となっています。
SNSの活用方法
では実際に、どのようなSNSがどのようにソーシャルリクルーティングに活用されているのか確認していきましょう。ここでは数あるSNSの中から、特に人気のあるFacebookとTwitter、Instagramについて紹介します。
企業はFacebookアカウントで、選考会の情報や資料に関する情報を主に発信しているため、登録しておけば重要な情報を逃さずにすむでしょう。
社内行事の様子などを発信する企業もあり、社員たちの雰囲気などを知ることも可能です。また、自身のアカウントで好きなことや得意なことなどを発信すれば、面接や履歴書では伝えきれない自分の魅力を企業にアピールできるでしょう。
Twitterを利用して企業は、Facebookと同じく説明会などの重要な情報を発信します。しかしFacebookよりも気軽な感じの、ちょっとしたお役立ち情報のようなものも発信するのがTwitterの特徴です。
Twitter担当者の日常のツイートなどを発信している企業もあります。フォローすれば重要な情報を入手しながら、その企業に親しみを感じるようにもなるでしょう。
また、企業側はどのようなアカウントをフォローしているのか、どのようなツイートをリツイートしているのかも見ています。Twitterで自身の魅力をアピールできるのは、ツイートだけではありません。
フォローで交友関係や人脈をアピールしたり、リツイートで関心事項をアピールしたりしてみましょう。企業の目に留まると、DMが送られてきて直接採用されることもあるかもしれません。
Instagramは写真の投稿がメインのSNSのため、社内の様子が分かる写真を投稿する企業が多いです。
転職希望の企業アカウントをフォローすれば社内の様子が分かり、事前にその企業の雰囲気を掴めるでしょう。自社製品について投稿する企業もあるため、その情報を面接の時に活用して企業に対する関心の高さをアピールすることも可能です。
企業側は、プロフィールを見てフォローするかどうか決める傾向にあります。フォローしてもらい自身をアピールするためにも、投稿する写真の雰囲気を統一して魅力あるものにしておきましょう。
ソーシャルリクルーティングの特徴
ソーシャルリクルーティングを導入する企業と、それを活用する転職希望者は確実に増えています。その理由は双方にメリットがあるからです。
ここではソーシャルリクルーティングのメリットを確認していきましょう。
必要な人材を素早く獲得できる
SNSを上手く活用できる人には、コミュニケーション能力が高く、人脈やネットワーク形成も得意だという傾向が見られます。
企業側にとってはSNSを通じてコミュニケーションをとることで、素早く優秀な人材を発見できるのがメリットです。SNSで直接連絡をすれば、早い段階で採用にまで辿り着くことも可能でしょう。
また企業は事前にターゲットを絞り込み、それに近い人材のみフォローしている場合があります。もしフォローバックされた企業があれば、求人に応募した場合採用される可能性が高いとも考えられるでしょう。
こういったミスマッチが防げる点は、転職希望者にとって大きなメリットです。
費用が抑えられる
SNSは基本的に無料で使えるものが多くなっています。企業が求人サイトなどに登録するには数十万円、多くなると数百万円もかかるのです。この費用が抑えられるのは、企業側にとって大きなメリットでしょう。
転職希望者は、SNSで企業の様子や情報を知るようにすれば、むやみに説明会や見学会に行かずに済みます。そうなれば交通費や宿泊費などを抑えられるでしょう。
ソーシャルリクルーティング活用の注意点
以上のようなメリットがソーシャルリクルーティングにはありますが、残念ながらデメリットも存在します。
定期的に更新しなければならない
企業側も転職希望者側も、ソーシャルリクルーティングを最大限活用するためには、定期的なSNSの更新は必須です。そうでなければ、なかなか見つけてもらうことができません。毎日更新できるのが理想ですが、難しいようならば週に3、4回程度の更新を目指して下さい。
また、相手の投稿への反応も重要です。コメントやフォローなどでコミュニケーションをとらなければ、上手く距離を縮められません。更新や反応が適切でないと相手の興味が薄れ、フォローが解除される場合もあるので注意が必要です。
炎上する恐れがある
SNSの特徴の一つに、拡散力の高さがあります。そのため不適切な投稿をすればすぐに拡散され、批判コメントが殺到して炎上する可能性が高いです。
企業側も転職希望者側も、投稿内容には注意しましょう。
オンラインを活用した就職・転職活動のこれから
コロナの影響を受け、企業は「合同説明会など対面のイベント実施できない」「採用に予算を割けなくなった」などの理由により、コストを抑えて採用活動ができるソーシャルリクルーティングに注目が集まっています。
ソーシャルリクルーティングは、オンライン上で関係性を構築した上で、採用説明会や面談に誘い、選考がスタートするという流れが一般的。オンラインを活用した就職・転職活動の導入も進んでいます。
また、コロナ禍のオンライン就活に際して、企業・学生共に「漠然と」ミスマッチを懸念しているという調査結果も出ており、学生・企業との相互理解を図っていくことが重要と考えられています。
ソーシャルメディアの活用と合わせてリモート体験入社やオンラインによるサポートなど、就職・転職希望者と企業の間で、まずはITを活用した接点作りが肝要だとしています。※
※参考:コロナ禍における学生と企業の認識ギャップとは-EY新卒採用に関する調査2021
まとめ
SNSは拡散力が高いため、使い方には注意が必要ですが、企業にとってソーシャルリクルーティングは費用を抑えながら転職に役立つ情報を素早く集められ、採用までスムーズに進むことも考えられます。
これから就職や転職活動に取り組むなら、ソーシャルリクルーティングの取り組みを理解して、SNSなどを上手く活用しながら、転職活動を進めていきましょう。