転職活動を始めると、必ずといっていいほど企業側に「職務経歴書」の提出を求められます。面接ではもちろん、求人サイトに登録するだけでも職務経歴書が必要になることはあるでしょう。
一方で、「職務経歴書がなぜ必要か分からない」という人もいるのではないでしょうか。この記事では、職務経歴書の重要性や書き方のポイントを解説します。
転職活動に職務経歴書はなぜ必要?大切さを理解しよう
職務経歴書は記入するべき項目が多く、完成させるのはかなりの手間です。それでも、転職活動に欠かせないものなので、必ず作成するようにしましょう。以下、転職活動に職務経歴書がなぜ必要かを解説します。
キャリアとスキルのアピールになる
実際に転職活動を始めた人にとって、職務経歴書のもっとも重要なポイントは「自己PRになる」ことでしょう。職務経歴書には、その人のキャリアやスキルがすべて書かれています。企業の採用担当者は職務経歴書をチェックし、志望者の能力を把握します。
そして、志望者の経験や実績が自社に合っているか、判断を下すのです。職務経歴書がないと、企業は志望者の適性を見抜くことができません。「自分は御社の戦力になります」とアピールするために、職務経歴書は不可欠です。
採用面接で使われる
書類選考を通過し、採用面接に進んでからも職務経歴書は大事だといえます。なぜなら、多くの採用面接は職務経歴書を見ながら行われるからです。面接官は初対面の志望者について、ほとんど情報を持ち合わせていません。
そのため、職務経歴書から気になるポイントを探し、質問をしながら掘り下げていきます。職務経歴書の内容次第で、面接官が志望者に寄せる関心は大きく変わってくるでしょう。採用面接で面接官と意義のあるやりとりができるよう、内容の充実した職務経歴書が必要なのです。
職務経歴書がないと選考に残らない
大前提として、職務経歴書を提出しないと企業の選考対象にならないことは珍しくありません。多くの企業が志望者に対し、職務経歴書の提出を要求しています。職務経歴書を見ないと、自社に合っている人材かどうか検討することはできないからです。
企業によっては、「営業経験者が欲しい」「リーダーになれる人材を求めている」など、募集時点で理想の人材像をある程度は固めています。その裏付けになるのが職務経歴書であり、提出していない志望者は最初から担当者の目に留まることすらないでしょう。
企業側が職務経歴書を見るときに注意しているポイント
採用担当者は人の能力を見抜くプロです。そして、彼らは職務経歴書の見方にも精通しています。ここからは、企業の採用担当者が転職希望者の職務経歴書を見るとき、注意しているポイントについて解説します。
職業適性があるか
まず採用担当者は、職務経歴書を通して「職業適性」を探っていくでしょう。職業適性とは、自社が求めている能力と、志望者のスキルがあっているかどうかです。たとえば、企業が企画開発の人材を求めているのなら、他社で同じ仕事をしてきた人には「適性がある」といえます。
同じ業界、業種で働いていたなら、よりぴったりの人材だと考えられるでしょう。逆に、過去の職種や業務内容が募集内容と違いすぎれば、「適性はない」と判断されてしまいます。採用担当者は適性を見抜くため、志望者がこれまでにどのような企業で何の仕事をしてきたのか、深くチェックしていきます。
読みやすく書かれているか
職務経歴書全体が「読みやすいかどうか」も採用担当者に見られているポイントです。なぜなら読みやすさとは、相手の立場に立って書類を作成した証だからです。雑で面倒くさがりの人は、職務経歴書も汚い字で書きかねません。
自己アピールだけにこだわって相手の気持ちを無視している人は、読みにくい小さな文字で長文を綴ってしまうでしょう。読む人の目線を想定し、端的に分かりやすく書かれている職務経歴書が採用担当者からは好まれます。
実績や役職について具体的に説明されているか
採用担当者は経歴の表面だけでなく、中身も知りたがります。そのため、自分の実績を箇条書きに並べているばかりの職務経歴書は選考に残りにくいでしょう。仮に「生産管理システムの受注経験あり」と書かれていれば、採用担当者は受注先やシステムの正式名称、導入の規模なども調べたいと思うはずです。
これらの情報を詳しく知るほど、志望者のスキルを正しく判断できるからです。何より、単なる箇条書きでは経歴に信ぴょう性がありません。実績を裏付けるような、具体的な根拠を採用担当者は求めています。
職務経歴書の書き方!企業側の印象に残るようなコツは?
転職活動に使う職務経歴書を作成するときは、採用担当者の目線を意識することが肝心です。ここからは、企業の印象に残りやすい職務経歴書の書き方を解説します。
求められている人材像を想像する
採用担当者がどのような人材を求めているのか、想像しながら職務経歴書を作っていきましょう。募集されている職種を意識し、それに近しい経験を掘り下げていくのがコツです。また、社風や経営理念をチェックすれば、企業に合う性格も把握できます。
「積極性」「協調性」など、採用担当者に関心を持たれそうな性格も職務経歴書の自己PR欄で訴えかけましょう。
アピールポイントをはっきりさせる
職務経歴書でアピールをしすぎて、読みにくい書類になってしまうのは得策ではありません。文章は「分かりやすく簡潔であること」に注意します。そのかわり、自分の最大のアピールポイントについてははっきりと記しましょう。
企業で活かせる能力、経験については多少文字数を割くのもコツです。その部分が際立つので、採用担当者の記憶に残りやすくなります。
リーダー経験は必ず書く
管理職候補が欲しくて、中途採用者を募集している企業も少なくありません。リーダー経験はアピールの好材料になりえます。
どのようなポジションでどれほどの権限を託されていたのか、職務経歴書の中に記載しましょう。
能力と目標を両方とも押さえる
志望者にできる「能力」と、これから成し遂げたい「目標」の両方を採用担当者は知りたがっています。まず、能力とは志望者がこれまでの仕事で培ってきたスキルです。新しい職場で戦力になるかどうか採用担当者に判断してもらえるよう、職務経歴書では志望者の能力を明確にしなければなりません。
一方で、「御社に入ったらこのようなことをしたい」という目標まで書いてあれば、採用担当者はやる気を感じ取ってくれます。同じ職場で一緒に働くイメージも持てるので、強いPRになりえるのです。
職務経歴書は何枚まで?
職務経歴書は2枚でまとめる、という説があります。実際2枚におさめるのはなかなかたいへんです。。
2枚というのは
- 読みたい箇所を中心に書く
- その他は、簡潔にまとめる
- 余分な余白、文字はカットする
- 読みやすいレイアウトにまとめる
これらが集約されていて、実際に内容がまとまっている状態です。
ただ、特に30代、40代、50代になれば、経験値、実績も増えてくるため、2枚はおろか、3枚でさえもなかなかその枚数でまとめることは難しいのではないでしょうか。
無理に詰め込むことで、読んでもらった方がいい内容も伝わらないとなると、採用側としても好人材を見逃すことにもつながってしまいます。
転職エージェントの森田さんによると「収められるのであれば、3枚までにする」という考えで作成すればOKということです。
まずは3枚までに収まるよう工夫をする、その上で読みたい内容をきちんと伝えることが大切です。あとは経験内容に合わせて文字量を調整するのが良いでしょう
転職エージェント森田氏からのアドバイス—
私が転職エージェントとして、転職支援をさせていただく立場としては、職務経歴書の枚数も個性の一つととらえています。枚数に固執して、魅力的な部分が伝わりにくくなると非常に勿体ないので、枚数がある程度多くなっても、魅力・個性が伝わるのであればそちらの方が良いと思います。
森田秀司のnoteより
職務経歴書は転職活動の第一歩!書き方のポイントをしっかり押さえよう
企業側に興味を持ってもらえるという意味で、職務経歴書は転職活動の第一歩だといえます。職業適性がはっきり分かる職務経歴書を見れば、採用担当者は「志望者と会ってみたい」と考えるでしょう。
採用面接での会話も弾みやすく、内定へと大きく前進します。読みやすい職務経歴書には志望者の人柄も表れるので、採用担当者から好印象を抱かれます。転職活動では職務経歴書の書き方のポイントを押さえつつ、ライバルにはない個性をアピールすることが大事です。
参考:
職務経歴書の枚数は、実際何枚まで? ~ ”2枚でまとめる説”は本当か? ~(森田秀司のnote)