副業禁止は違法!?それでも会社に黙って副業を始めるのは危険が伴う?

副業禁止は違法!?それでも会社に黙って副業を始めるのは危険が伴う?
2022年6月14日

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副業をしたいと思っていても、勤め先の会社で禁止してるケースがあり、なかなか始められない人もいるようです。ただ、政府が働き方改革の一環として副業をすすめていることから、実際に副業を始める人は増えつつある一方、副業禁止は違法といったことも耳にします。

この記事では、副業を始める前の基礎知識として、副業禁止の会社で副業が見つかった場合のリスクや、会社公認で副業するためのポイントについて解説していきます。

副業禁止は違法?

働き方改革の具体的な方針の一つとして、政府は副業を推進しています。ただ、副業についてまだ公に認めていない企業も多数存在します。しかし、憲法22条において職業選択の自由が保障されているため、日本国民は副業をする権利を有していると言えるでしょう。そのため、会社が副業を禁止することは憲法違反にあたり、原則として会社側から副業を禁止することはできないということになります。

社員の権利

さらに、就業時間後の社員は自由に過ごす権利を持っており、会社側が拘束することはできません。そのため、法律上、会社の就業規則で副業を禁止することは違法になるとも考えられます。つまり、憲法上、法律上、会社が副業を禁止することは認められていないということです。

公務員は副業できない

一方、国家公務員法103条、104条、地方公務員法38条において、公務員の副業について禁止されていますが、それはなぜでしょう。公務員は国民のために職務に全力を尽くすことが義務付けられており、公正中立な立場であることが求められているからです。副業による情報漏洩などのリスクを回避することや、特定の企業に利益を与えることのないよう、法律上禁止されているのです。

国家公務員法第一〇三条で、国家公務員は営利を目的とする企業や団体の役員等との兼業や自営業ができないと規定されている。同法第一〇四条では営利企業以外の事業の団体についても同様のことを規定して、国家公務員の兼職、副業を禁止している。地方公務員は、地方公務員法第三十八条で同様に兼職、副業が禁止されている。

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a193397.htm

トラブルに注意

また、会社から副業を禁止することはできないといえそうですが、副業によるトラブルや会社にとってのリスクを回避するため、副業禁止が定義されているケースもみられます。そして、禁止されていない場合でも、職種問わずどんな副業でも行える、というわけではないことに注意が必要です。

副業禁止の会社で副業が見つかった場合のリスク

副業禁止の会社で副業が見つかった場合、会社に対してなんらかの不利益を与えたり、本業に悪影響を与えるようなことがあれば、懲戒処分の対象になる可能性もあります。

公務員であれば減給処分は避けられません。では、副業が見つかってしまった場合、懲戒処分の対象となる理由とは、具体的にどういったことでしょう?

まず、副業が原因で仕事に専念できず、本業に支障が出るといったケースです。たとえば、副業によって遅刻や欠席することが多々みられたり、本業の勤務時間に副業をしていたり、などが挙げられます。

また、同業他社で副業するケースも挙げられるでしょう。たとえば、同業他社に自社の技術データが流出してしまえば、会社にとってたいへんな不利益となってしまいます。

故意でなくとも、社内で管理している顧客データなどが外部に漏れてしまえば、個人情報の漏洩にあたり、会社のブランドや信用を損失することにつながります。

以上のような、副業が原因で会社が損害を被る可能性がある事由では、懲戒処分や損害賠償を受けるリスクもあるのです。

会社公認で副業する方法

副業が見つかった場合のリスクをどう避ければいいのでしょうか?

まず就業規則を確認することが必要

一般的に、副業に関する項目に、全面禁止や許可制、またはとくに規定なし(自由)と記載されているでしょう。

そのほかに、会社が副業を認めていても、副業に関するルールが設けられていることがあるため、細かくチェックすることをおすすめします。

副業は「自由」と記載されている場合は、会社に断りを入れずに副業を始めても問題ありません。副業は「許可制」である場合、副業を行いたいという申し出を会社にするといいでしょう。

ただ、会社公認で副業を始めても、本業の契約に違反しないように気をつける必要があります。副業を禁止する規定がなくても、本業がおろそかになるようなことや会社に不利益になるようなことがあれば、それ相応の処分を受ける可能性があることを念頭に置いてください。

会社員が始めやすい副業

では、会社員が取り組みやすい副業に、どんなものが挙げられるでしょう。まず、在宅ワークで稼ぐことのできる、WEBライターやブログの運営などがあります。

WEBライターは、企業のサイトのテーマに沿った記事を執筆する仕事が多いです。初期の段階で高収入を得られなくても、経験に応じて単価が上がるため、収入アップを目指せます。

ブログの運営では、サイト内で紹介した商品の売り上げに応じて報酬を受け取れるアフィリエイトによる収入源が期待できるでしょう。SEO知識や初期費用が必要になりますが、軌道に乗れば高収入を稼げる可能性もあります。

また、自分のスキルを活かして翻訳の仕事を副業にするのもおすすめです。翻訳の仕事は常時募集されており、経験によって作業効率が上がれば収入源になります。自分の語学力の向上にもつながるでしょう。

そのほかに、株式投資やFXについては、基本的に副業に当たらないため、副業を禁止する会社でも就業規則に触れずに行うことができます。売買取引の設定を自動化することで、とくに時間を割くことなく収入を得ることが可能です。ただ、投資は資金を失ってしまうリスクがあるため、計画的に行う必要があります。

いずれも、会社員が休日や帰宅後の空いた時間を利用して、自宅などのプライベート空間で、無理なく取り組めるような仕事です。会社に関係のない個人的な情報を扱うため、本業に悪影響を及ぼすこともないでしょう。

副業を正直に会社へ申し出るかどうか

では、副業を許可制にしている会社に申し出るか否か、といったことも気になるところです。たとえば、就業規則で許可制と記載されている会社で、同僚や上司が公に副業を行っていても、とくに問題として取り上げられないような社風であれば、会社へ届け出るのもいいでしょう。

しかし、許可制であっても、副業をしている人が周囲にいない社風であれば、少し様子をみることをおすすめします。

中には副業を申し出たことで、人事評価が下がってしまう可能性のある職場もあるため、あえて公にはせず、会社の上司や同僚にも隠し通すといった方法で、副業を始めるケースもあるでしょう。。

ただ、公にしないで始めた副業が、その後何かのきっかけで発覚してしまう可能性もあります。そのような場合、自分がどう対応するのか想定してから副業を始めるのがいいでしょう。

副業が許可制であれば、届け出ていないことに注意を受けることになっても、法的にみて懲戒解雇のような重い処分に当たるとは考えづらいですが、どのケースにおいても、会社に損失を与える可能性のある副業は避けるようにしましょう。

会社側へ配慮できるようにきちんとした準備を

会社員が副業を行うメリットは、複数の仕事を持つことで安定した収入を得られることや、スキルアップにつながり、自己実現を目指せることでしょう。

ただ、副業することで、労働時間が長くなってしまうことや、会社の情報漏洩やブランド毀損なども懸念され、勤務先に迷惑をかけてしまう可能性もあります。そのため、始める前に副業をするメリットや必要性について整理し、会社側へ配慮できるようにきちんとした準備をすることが大切です。

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