仕事のことや働き方に課題を抱える方のリアルな声を聴き、その課題を解決するサービスを作りたいと思い始めた「オモシゴカフェ」。でも、目の前の人の話を真剣に聴くこと自体が、働くことの悩みの解決につながることに気がつきました。
2017年1月から、大阪市にあるカフェの一室をお借りして“これからの働き方”をテーマに、気楽に話し合える場としてオモシゴカフェを開催。「教える」「教わる」という場ではなく、みなさんの意見や思ったことを言葉にして「話す」「聴く」ことで自分の中での気づきや学びを得ていただく、対話を大切にしています。現在は、会場をオンラインに移して開催中。
気分がもやもやしたり不安になった時は、まずは言葉にする。一人なら文字に書き出す。そして、オモシゴカフェで自由に気軽に言葉に出してみてください♪
働き方に悩む方のインサイトを探る
マーケティング用語として使用される「インサイト」。
マーケティングにおけるインサイトとは「消費者インサイト」を指す場合が多い。消費者インサイトとは、消費者の購買行動の根底にある、時には本人さえも気付いていない動機・本音のことである。
https://www.macromill.com/research-words/insight.html
このインサイト”本人さえも気付いていない動機・本音”を見つけ出し、働き方をより良くするためのサービスを作ろうとしていました。新規事業開発や起業のアイデアを考える場でも、顧客が抱える課題を特定することが重要だと言われます。
そして、インサイトを見つけるために必要なことがインタビューです。なのでオモシゴカフェでは、できるだけ自由に気軽に本音を話せる場にしたいと考えていました。
話しやすいよう、アイスブレークや自己紹介、ワークを通して考えや思ったことを発表いただけるようなコンテンツを用意して、できるだけ話しやすい場を作ろうに心がけています。
オモシゴカフェでの約束
オモシゴカフェでは参加いただくにあたり以下の点をお願いしています。
ファシリテーションの心得
またオモシゴカフェを運営するようになりファシリテーションの大切さに気づきました。
話すことで自分を理解する
思っていることや考えを言葉にすることは難しいと感じませんか?頭の中を整理してから話を始めないと、なかなか相手に伝わらず、何を言っているかわからない変わった奴という目でみられたりします。
でも、何も考えずに話し始めたことで自分の考えや気持ちが整理されていくと感じたことはないでしょうか?相手に理解してもらうためでなく、自分自身を理解するためには、まずは言葉としてアウトプットしていくことが大切です。
頭に浮かんだことを紙に書くことで、気持ちがスッキリすることってありますよね。
遠慮は禁物だ。ストレートに書くことで、ゴミを部屋の外に掃き出すようにすっきりする。心の中を整理整頓し、自分が何を悩んでいるのかはっきり見すえることで、悩みも大幅に減る。
ゴミを掃き出すようにメモを書くと心がスッキリ爽快になる理由 | 「ゼロ秒思考」のつくり方 | ダイヤモンド・オンライン
もちろん「話す」ことでも同じような効果があると思います。その前提として、議論でなく対話をすることです。
ちなみに議論は、意思決定のために論を戦わせること、「AかBか」を決めること。対話は「AもBも」というスタンスで、新たな視点で問い直すこと。
オモシゴカフェでは、相手の抱える事情や背景に目を向け、その状況を理解した上で自分と共有できるポイントを見つけ出し、これまでとは違う眼差しで相手を認めることを、対話と呼んでいます。
相手を大切に思い、聴くことに集中する
私はカウンセリングのプロでもなく、インサイト”本人さえも気付いていない動機・本音”を見つけ出すために聴くことに集中しました。そのため、話を聞きながら分析する必要がありました。(リラックスして話せもらう場を作ることに今でも手一杯ですが)
相手の話に耳を傾けながら、意識したことは話の中の【①事実】【②解釈】【③行動】という3段階のプロセスです。話している人が見た【①事実】なのか、その人の【②解釈】なのか、もしくは出来事に対して起こした何らかの【③行動】なのか?
相手の立場でこの3点を意識して、聴くことで状況が掴みやすくなりました。そうすると自然と話している人も頭の中が整理されていくようです。さらに、仕事や働き方がテーマなら、これまで歩んできたキャリアについて振り返る良き機会にもなります。
相手を大切に思い、聴くことに集中したことが、結果的にですが、仕事や働き方に悩みを持つ方のサポートにつながっていたのです。
聞くことの価値については、以前にこちらに書いています。
→【聞く力はこれから大切なスキルになると思う|聞くことを大切にすると良い場ができた】