1on1ミーティングとは、定期的に上司と部下が行う1対1の面談のことを言います。
世界的に注目を集める人材育成の手法であり、日本ではヤフーが取り入れたことで話題になりました。
1対1の面談のどこに人材育成の効果があるのかと疑問に感じている方、1on1を取り入れたがうまく運用できていない方などに向けて、効果や進め方など、1on1ミーティングの基本について解説していきます。
1on1ミーティングの目的と効果
ここ最近、企業に1on1ミーティングという手法が取り入れられています。
1on1ミーティングとは部下の成長をサポートし能力を引き出すため、上司と部下が1対1でおこなう対話型のコミュニケーションです。
上司と部下の信頼関係を構築し相互理解を深め、部下が上司へ悩みを相談できるような環境を作り部下の成長をサポートするためのミーティングです。
異なる世代ごとの価値観
特にミレニアル世代は学生のころからデジタル機器が常に身近にあり、独特の価値観をもっています。
特徴的なものでは、自分本来の姿を否定されることに対する拒絶感の強さや、我慢や厳しい環境に耐えるといったことをあまり受け入れないことが多く、短所よりも長所を伸ばすことを大切にし、自分の好きなことや適性の合う環境で仕事をしたいという気持ちが強い傾向にあります。
起業する人たちが多いのもこの世代です。普段接している様子では全く悩んでいる感じではなかった優秀な部下が急に転職・起業してしまうということも起こりがちです。
そういった理由から、上司と部下がそれぞれの価値観の違いを理解することが大切になってきているのです。
対話の効果
オモシゴ☆編集部では、相手の抱える事情や背景に目を向け、その状況を理解した上で自分と共有できるポイントを見つけ出し、これまでとは違う眼差しで相手を認めることを、対話と呼んでいます。
どちらか一方の意見を押し付けるのではなく、互いの価値観が異なることを理解したうえで、相互に理解しあうことです。
どちらが正しいとか間違っているということではなく、お互いが価値観をすり合わせ、それぞれの意見を受け止めたうえで、一緒に「どうして行こうか」という方向性を話し合うことが対話のポイントとなります。
1on1ミーティングは1回30分、少なくとも月に1度、できるならば週に1度のペースで定期的に行うと効果的です。
最初はお互いに緊張してなかなか効果を感じられにくいかもしれませんが、親身になって話し合いを重ねるうちに自然に部下から悩み事や相談事が話題にのぼってくるようになるでしょう。
対話によって一緒に問題解決していくことで部下の仕事への自立心が育っていくことにつながっていきます。
1on1ミーティングの進め方
1on1ミーティングの進め方についてご紹介します。
場所の設定
場所に関して、毎回同じ会議室を使用することで安心感を優先する場合や、話しやすい雰囲気づくりを優先し、部下の希望や話したい内容に合わせてカフェ、ラウンジ、公園といった場所を利用する企業もあります。
日程調整
日程の設定です。1on1は部下の成長のための時間なので、部下が積極的に参加できる日程を調整します。
部下から急な予定変更依頼があった場合も、そのままキャンセルにしてしまうのではなく、日程を再調整するようにし、1on1ミーティングが継続できるようにする方が良いでしょう。
話しやすい雰囲気づくり
緊張しやすいタイプの部下との話し合いにちょっとしたお菓子を用意したり、飲み物で気分をほぐしながら話し合いができるような小道具の準備があってもよいかもしれません。
タイムキープ用に時計の準備もしておいた方が良いでしょう。やっと会話がほぐれてきたところでタイムオーバーになってしまうということもあるかもしれませんが、継続的な開催を考えた場合、毎回30分などタイムマネジメントをきっちり行う方が良いでしょう。
話題を準備
話す内容に関しては事前に準備しておきましょう。
世間話や相手の趣味に関する話題や自分の休日の過ごし方など雰囲気がほぐれやすい話題、仕事上でやりづらい事や困ったこと、気づいた事など業務内容だけにこだわる必要はありません。
キャリアアップしたいと考えている内容や上司である自分が力になれそうなことがあるかどうかなど、基本的な議題となりそうな話題も良いでしょう。
ミーティング終了後は、ミーティング内容を必ず記録しておき、次回へつなげていくようにします。
実際、1on1の進め方は企業によりさまざまです。目的を忘れず状況に応じて進めていきましょう。
1on1ミーティングを成功させるポイント
1on1ミーティングを成功させるために、いくつかの心がけたいポイントがあります。
話に耳を傾ける
1on1ミーティングはあくまで部下の成長を促すためのものであることを忘れず、基本的には傾聴を心がけるということです。
しっかり話を聞いていますよという態度をきちんと示すと、部下は上司への安心感が増します。
また部下が自分の意見を最後まで話しきることによって思考の整理が進み成長へとつながっていきます。
自己を開示する
1on1ミーティングにあまり乗り気ではない部下とのミーティングやミーティングをしてみたけれども特に話すことはないという部下もいるかもしれません。
自分の失敗談や、家族の話するなど、自分は心を開いているという話をすると部下が自分のネガティブな部分の話がしやすくなります。
1on1本来の目的を共有する
上司という立場の人に緊張してしまう場合もあるでしょう。
どういった内容の話し合いをするのかがわからず不安に思って逃げているような場合は、ミーティングはあくまで上司主体のものではなく、部下のあなたの成長をサポートするためのミーティングであることを伝えましょう。
主体はあなたなのだという、1on1ミーティング本来の目的を理解してもらうことから始める必要があります。
まとめ
現場は、単なる1対1の面談として、1on1ミーティングの意義や進め方を理解せず導入したことで、時間を無駄に消費したり、かえって関係性を損なってしまうことがあります。
上司は「部下の成長のため」という目的を忘れずに、部下の話に耳を傾け対話するスキルを高めていきましょう。
1on1ミーティングという手法だけを導入しても、うまくいくものではありませんよね。