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IT人材になるには?IT業界の現状や求められるスキル、今後の市場性について

IT人材になるには?IT業界の現状や求められるスキル、今後の市場性について
2022年5月24日

今後IT業界はさらに発展していく見込みがある業界であり、これから将来性のあるIT業界に飛び込もうとしている人も多いのではないでしょうか。

しかし、情報系の専門学校や大学を出ていないのに自分でも未経験からIT業界に入れるのか不安に思っている人もいるでしょう。

そこでここでは、IT業界の現状やIT人材に求められるスキル、IT人材の年収などについて解説していきます。

IT人材とはそもそも何?

IT人材とは、その名の通り、IT業界で情報システム部門に所属して働く、サービスの開発・運用などの知識を持った人材のことを言います。具体的には、サービスの運用・保守・開発に関わる人材に加えて、IoTやAIなど最新の技術を生み出す人材や、新しいITサービスの導入のためにマネジメントを行う人材もIT人材に含まれます。

ちなみにIT人材は従来型IT人材・高度IT人材・先端IT人材の3種類に分けることができます。従来型IT人材とは原稿のシステム開発・運用に関わる人、高度IT人材はITサービスの革新に取り組む人材、そして先端IT人材とはAIやビッグデータなどIT技術の中でも特に最先端の分野に関わる人のことを指します。

IT人材のニーズ

少子高齢化に伴い、日本の労働力人口(15歳以上で働く能力と意思のある者)は減少傾向にあります。しかし、産業面でのIT技術の活用は必要不可欠になっています。

不足するIT人材

経済産業省が2019年に実施した調査「IT人材需給に関する調査」によると、IT人材は2030年には79万人不足すると言われています。しかし、高度IT人材や先端IT人材は不足するのに対し、従来型IT人材は十分足りるどころか供給過多になる可能性があるとされています。

また「IT人材白書2020」では、IT人材の動向として下記の3点をあげています。

  • デジタルビシネスの取り組みが加速している中で、これまでの技術やスキルを活かせる従来型の事業・業務もまだ豊富に存在している。しかし、今後も従来型の技術やスキルがいつまで通用するかは不透明な状況。
  • 企業が事業変革に取り組むスピードが遅い、または事業転換しても軌道に乗せることが難しいため、新たなスキルの活用の幅が広がらない。現在と同じスキルがまだ通用するという認識もある。
  • “自己研鑚の獲得・拡充”、“自己を高める”場を獲得するため、今こそ自ら動いて変わるタイミングである。

IT人材の不足には、企業の変革が遅れていることや個人が新たな技術を学び習得する機会が少ないことが背景にあります。経済産業省では、多様な人材(女性、シニア、外国人材)の活躍促進、人材の流動性の向上、IT人材のスキルアップ支援など、IT人材不足の解消に取り組んでいます。

さらに、コロナ禍により企業活動だけでなく個人の働き方にもデジタル化が促進されています。欧州では、2030年までに、成人(16~79歳)の80%が基礎的なデジタル技術を取得を目標にするなど、世界と比較して取り組みが遅れる日本では、ITスキルは今後ますます重要となってくるでしょう。

IT業界への転職も十分可能

転職サービスを手がけるdodaの「転職市場予測2021下半期【IT・通信(ITエンジニア)】」では、経験者・未経験者ともに求人数の増加を予想しています。

未経験者やキャリアがなくても『SES(System Engineering Service/準委任契約)や、2次請けSIerの需要は高まる』としています。ただし、事業会社は即戦力採用の傾向が強く、求人数は横ばいになるということです。

社内SEやITコンサル、元請けを担うベンダーでは、マネジメントや要件定義といった上流工程の経験がある人のニーズが高く、アウトソーシング(業務請負)や2次請けSIerでは、設計からコーディングまでのスキルに加えて、要件定義や顧客折衝の経験が評価のポイントになりそうです。コミュニケーションはどの分野でも重視されるスキルと言えます。

IT人材の副業

パーソル総合研究所の「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」が2021年08月11日に発表されています。この調査は、2021年3月4日から3月8日に従業員10人以上の企業に勤める経営層・人事担当者1500人を対象にインターネット上で実施されました。

副業人材を受け入れている、もしくは受け入れを検討している企業は全体の約48%。求める副業人材の職種でもっとも多かったのは「営業(約19%)」、次いで「ITエンジニア(約15%)」「情報システム関連(約13%)」とIT関連職種が上位にあがっています。

IT人材の不足から、企業側も副業でのIT人材の活用を検討しており、ITスキルの獲得により働き方の選択肢が増得ていくのではないでしょうか。

IT人材に求められるスキルとは?

それでは、未経験の状態からIT人材になるにはどんなスキルが求められるのでしょうか。これに関しては携わる業務や目指したいレベルによって必要なスキルが変わってきます。まずとりあえずどんな仕事でも良いからIT業界に飛び込みたいと思っているなら、特にスキルは必要ありません。

強いて言えばこの場合に求められるのは若さと吸収力です。先ほど解説した通り、IT業界は人手不足に陥っている業界です。特に既存システムの運用・保守に関しては人手が必要とされており、学歴に関係なく未経験者を募集して、入社後にプログラミングやインフラの運用・保守について教育を行い、人材を育成する企業がたくさん存在します。

この場合は長期的なキャリア形成の面から20代後半〜30代前半までと募集できる年齢に制限を設けています。そのため、どんな手段でも良いからとにかくエンジニアになりたい、それからキャリアを考えたいという人はとにかく早く、年齢が1歳でも若いうちに行動に移すことが大切です。

ただ若いうちは未経験でも高卒・中卒OKの求人さえたくさん見つかりますが、年齢が高くなればなるほど難しくなってきます。そのため、年齢が高い人ほどスキルを身に着け、即戦力として働けるアピールをする必要があります。

インフラ運用・保守やプログラミングなどいわゆる先ほど紹介した従来型IT人材ポジションをまず目指したい場合は、まずネットワークやプログラミングの基礎を身に着けると良いでしょう。ちなみにプログラミング言語に関しては、JavaやPHPだと需要が高く、仕事に繋がりやすいです。そこから経験を積んでいくことで高度IT人材へのキャリアを見えてきます。

AI開発やデータサイエンスなどに携わる先端IT人材に関しては、求められる知識のレベルが高い分、一切知識の無い未経験から目指すことが難しいのが現状です。そのため、学校やスクールに通ってスキルを身につける必要があります。

先端IT人材には、プログラミングの他に統計学や数学の知識も求められます。そのため、情報系や理数系の大学・大学院卒の人が優遇される傾向にあります。実際に社会人になってから大学・大学院に入り直す人もいるほどです。もちろん独学やAIなどに特化したスクールでも良いですが、やはり情報系の大学・大学院を卒業していれば学歴が付く分未経験からの転職も有利になります。

IT人材の平均年収はどれくらい?

IT人材の平均年収は、その人のスキルや経験によって変動します。経済産業省が発表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、IT人材はレベル1から7まで分けることができます。

ITスキル標準
  • レベル1:新人、最低限必要な基礎知識がある
  • レベル2:上司の指導のもとに作業ができる
  • レベル3:独立して仕事ができる中堅社員
  • レベル4:チームリーダーとして指導ができる
  • レベル5:社内でもトップのポジションに立って指導ができる
  • レベル6:社外でもプロフェッショナルとして経験と実績を持つ
  • レベル7:世界に通用するサービスの開拓や市場化をリードした経験と実績を持つ

出典:
ITスキル標準とは?

平均年収はレベル1・2で400万円〜500万円程度、レベル3で550万円程度、レベル4で750万円程度、レベル5で950万円程度と言われています。レベルに加えて勤続年数や年齢、業務内容によっても給与は変動しますが、これを目安にキャリアを積んでいくと良いでしょう。

IT人材の平均年収

国内では人材獲得競争が激化

日本は少子高齢化が進んだと同時に技術の進歩によって職業の選択肢も広がったことで、どの業界も人材の確保に苦戦しています。急速に発展を遂げているIT業界でさえ人材不足が深刻です。加えて日本は昭和の保守的な社風から新しいことに挑戦しにくい環境の企業が多く、人材の海外流出という問題も抱えています。

しかも、未経験者は1から育成すれば良いですが、マネジメントを担当する層は既存の人材で補うしかありません。そのため、どの企業も日本国内でのIT人材、特に高度IT人材、先端IT人材の獲得に苦戦しており、人材の獲得競争がおこっています。

2025年の壁

先ほど解説したように、IT業界は2030年に最大79万人の人材不足に陥ると言われています。また、2030年を迎える前に「2025年の壁」と言って、バブル期に開発された既存の業務システムが寿命を迎える問題も存在します。そのため特に高度IT人材、先端IT人材の確保・育成は急務と言えるでしょう。

2025年の壁問題でシステムの刷新が求められており、それに伴って業務の自動化が進み、従来型IT人材レベルの人材は需要が減ることも懸念されます。したがって、従来型IT人材として働き続けるのではなく、高度IT人材、先端IT人材を目指してキャリアを形成していく必要があるでしょう。

ニーズが増える職種

IT業界には様々な職種が存在しますが、中でも今後IT業界に必要とされると言われているのは、セキュリティエンジニア・AI/ビッグデータ関係のエンジニア・フルスタックエンジニアです。IT技術の進歩に伴い、ハッキングなどIT犯罪のレベルも高くなっている状況です。

また、どの企業も大量のデータを取り扱う機会が増え、よりハイレベルなセキュリティの知識を持った人材が必要とされています。従来ではデータベースエンジニアなどインフラに携わるエンジニアがセキュリティエンジニアを兼ねていることが多いですが、セキュリティに特化したポジションを用意する企業も増えています。

AI・ビッグデータやIoT関連の先端IT人材に関しては先ほど解説した通りです。世界規模でIT技術の刷新が進み、AIやビッグデータを取り扱える人材の育成・確保が急務となっています。そしてフルスタックエンジニアとは、簡単に言えば何でもこなせるエンジニアのことを言います。

日本でも徐々にポジションに関係なくチームで開発を進めていくアジャイル開発を取り入れる企業が増え、開発、インフラ、データベースなど幅広い知識を持ったフルスタックエンジニアが必要とされています。

フルスタックエンジニアになるには計画的に時間をかけてキャリアを積んでいく必要がありますが、どのポジションもこなせる分安定度合いも高いので、将来的にフルスタックエンジニアを目指すのも良いでしょう。

需要が見込まれるIT技術・分野

技術が日々進歩する中で、深刻なIT人材不足が続いています。システムエンジニアやプログラマーをはじめ、引き続きIT人材のニーズは高いでしょう。最後に、今後需要が見込まれるIT技術や分野についておさえておきましょう。

AI(人工知能)

AIとは「Artificial Intelligence(人工知能)」の略称です。コンピューターの性能が上がり、機械自身が学ぶ「機械学習」がAIの中心技術となっています。現在は第三次AIブームと言われ、スマートフォンへのAIの搭載や、自動運転技術など、さまざまな場面でAIが活用されています。

IoT(Itnternet of Things)

IoTとは「Internet of Things」。直訳すると「モノのインターネット」という意味で、あらゆるものがインターネットにつながることを指します。車やテレビ、冷蔵庫に各種センサーなど、インターネットに繋がることにより、これまで可視化できなかった情報を収集・分析・活用することができるようになります。

VR(仮想現実)AR(拡張現実)

VRは「Virtual Reality」の略で、自分が現実世界にいるかのような、実体験に近い体験を得られる技術です。一般的に専用のゴーグルを装着し、ゴーグルの中に映し出されるモニターを見ることで仮想世界を体験します。ARは「Augmented Reality」の略で、拡張現実を意味します。VRがコンピューターの中の仮想世界に対して、ARはスマートフォンのカメラなどを通して、CGを現実世界に映し出すことができる技術です。

クラウドコンピューティング

パソコンにダウンロードせず、ネットワークを通じてデータやソフトを利用するというものです。ネットワークの向こう側のことを「cloud=雲」として表現からクラウドコンピューティングを言われています。企業にとっては、導入コストの削減や従量課金による初期投資やコスト削減、ユーザー登録によりスムーズに利用を開始できるなどのメリットがあります。

セキュリティ

さまざまなものがインターネットにつながることで、ネットワークを通じて破壊活動やデータの改ざん、窃盗などをおこなうサイバー攻撃も増加傾向にあリます。各企業はサイバーセキュリティを意識せざるをえなく、セキュリティツールやサービスの規模は拡大しており、セキュリティ人材の不足も課題になっています。

時代の流れを見極めて必要とされるIT人材を目指そう

今IT業界は人手不足と言われていますが、どのポジションも人手不足というわけではありません。人手不足が深刻なのはハイレベルなスキルを持った高度IT人材・先端IT人材であり、運用・保守など下流工程を担当するエンジニアは飽和状態にあります。

そのため、未経験からエンジニアを目指す場合はスタートは下流工程からだったとしても、将来的に仕事に困らないように計画的にキャリアアップをしていく必要があるでしょう。IT業界は変化が早い業界です。時代の流れを見極め、仕事に困らないエンジニアを目指しましょう。

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