大企業に息苦しさを感じて中小企業に転職したのは良いけれどもあまり状況が変わらなかった、むしろ悪化したなどして後悔する人は少なくありません。
大企業で働いていると中小企業は魅力的に感じる部分もあるかもしれませんが、大企業からは見えにくい中小企業の実態もあります。
そこでここでは中小企業で働く魅力と注意点、中小企業に転職して失敗したと感じる理由について解説します。
大企業から中小企業に転職して失敗する理由とは
大企業から中小企業に転職して失敗する理由には、「中小企業は大手よりも規模が小さい分仕事が楽」など、中小企業の実情を理解していないことが挙げられます。大手企業で働いていると人間関係も大手企業で働いている人間ばかりになりやすく、それ故に中小企業の悪いところを理解している人が周りにいないということも少なくありません。
また、人間はどんなことにおいても一つ嫌なところが気になりだすと徐々に他の嫌な部分も気になるようになってしまい、良い部分には気付けなくなってしまいがちです。それ故に大企業の悪いところ、中小企業の魅力的な部分ばかりに気を取られ、大企業の良いところ、中小企業の悪いところには目を背けてしまうことがあります。
このように大企業から中小企業に転職する人で失敗するケースは、いま自分が置かれている環境と違う環境で夢ばかりを見てしまい、実情を何も理解していない計画性の無さが原因であるケースが多いと言えるでしょう。
大企業から中小企業への転職でよくある失敗例
それでは、大企業で働く人が中小企業へ転職する際にする失敗にはどんなものがあるのでしょうか。失敗例を紹介していきます。
待遇が悪くなった
大企業と中小企業で差が出やすいのが待遇面です。大手と中小企業では月収が同じだったとしても、ボーナスの額や福利厚生の手厚さで差が開きます。やはり事業の規模が大きく資金に余裕がある企業は、その分社員に還元できるものも大きいです。また、大手と中小企業では勤務年数が長くなればなるほど給与の上がり幅も差が開きやすい傾向があります。このように大企業時代と同じような待遇を期待していたのに実際には待遇が悪くなってしまい、同期だった人たちと年々差が開いてしまって後悔するといった人もいます。
余計な仕事が増えた
中小企業に転職して、雑務が増えたと感じる人もいます。大企業は資金力がある分人を雇う余裕もあります。そのため、採用された職種の仕事に専念できる環境が整っていることが多いです。それに対して中小企業は規模が小さく雇える人数にも限りがあるので、こなさなければいけない雑務も増えてしまいます。一人に任される業務の範囲が広いと捉えてスキルアップのチャンスにする人もいますし、実際に職種に関連する業務なら良いのですが、関係ない業務ばかりを任されてやりたい仕事に専念できないと不満を持つ人もいます。
周りと仕事の進め方が合わない
大企業だからといって皆が優秀な社員だとは限りません。しかし大企業は組織としての完成度が高く、ビジョンや業務の進め方が既に出来上がっている環境と言えます。担当する仕事の基準、業務に関連する理論、組織における仕事の進め方について、充実した研修などでビジネスパーソンとして一定の教育を受けています。人数も多く人には恵まれていると言えます。
中小企業は資金面や人材不足などから「自分たちで考える」「ゼロから何かを生み出す」「限られたリソースの中で工夫をする」というマインドを持つ必要があります。大企業とは大きく環境が異なるため、これまでのスキルを発揮しようと思っても上手くいかず壁にぶつかることがあります。
大企業から中小企業に転職するメリットとデメリットを紹介
もちろん大企業から中小企業への転職にはメリットがあります。ただ、転職を成功させるためにはメリット・デメリット両方をよく理解し、志望する企業の環境をよく調べたうえで転職に踏み切る必要があるでしょう。そこでここでは大企業から中小企業に転職するメリット・デメリットについて解説します。
大企業から中小企業に転職するメリット
大企業から中小企業に転職するメリットには、仕事のスピード感が挙げられます。大企業は一つのプロジェクトにたくさんの人が関わる分、どんなこともたくさんの人からの許可を得ないといけません。そのため仕事を進めるのに時間がかかってしまいがちな傾向があります。それに対して中小企業は人数が少なく上層部との距離も近いので、物事を決めるスピードが速く、ストレスなく仕事を進めていけるでしょう。特にベンチャー企業はスピードの速さが顕著です。
また、一人ひとりに与えられる仕事の範囲は広いですが、その分幅広いスキルを身に付けられます。現代の日本では幅広いスキルを持ったジェネラリストが重宝される傾向にあります。そこで色々なスキルを中小企業で身に付けておくと、次に転職を考えたときにより待遇の良い企業に転職できるでしょう。
大企業から中小企業に転職するデメリット
まず中小企業は人が少なく上層部との距離が近い故に、社長と同じ考えの人でないと活躍できないワンマン企業であることがあります。社長と考えが合わないと周りと仕事で対立しやすくなってしまうだけでなく、昇格にも影響が出てしまい、場合によっては高いスキルを持っていても活躍できないかもしれません。
また、将来が不確実な時代と言われるなか、大企業だから安泰ということはありませんが、相対的に資金が豊富な大企業は中小企業と比べると倒産のリスクは小さいといえます。それに対して中小企業は、設立から10年倒産せずに運営を続けられる企業は1割にも満たないと言われています。いきなり倒産して職を失うことになるリスクもあるので、中小企業に転職するにあたっては事業方針やビジネスモデルなど企業の実態を把握することが大切です。
中小企業への転職で後悔しないために意識したいポイント
それでは大企業から中小企業への転職で失敗しないためにはどんなポイントを抑えておくべきなのでしょうか。大企業から中小企業へ転職するにあたって確認すべきことを紹介します。
企業の実態を把握する
まず企業の内部事情をしっかり把握することは転職を成功させるために重要です。基本的に企業サイトにはアピールしたいことが書かれています。現代では口コミサイトで簡単に企業で働いていた人しか知らない情報も集められるので、積極的に活用しましょう。また設立してから長い中小企業でも、社名が頻繁に変わっているなどといった場合は、イメージを一掃したいなど何かしらの事情が隠れている可能性があります。引っかかる部分が少しでもあればできるだけ情報を集めて判断しましょう。
第三者の意見をしっかり聞こう
転職をする場合、今の企業に対する不満ばかりが目について、良いところが見えなくなってしまいがちです。それ故に、「とにかく会社を辞めたい」という気持ちが先走って待遇の悪い中小企業へ転職して後悔してしまうことがあります。そこで一旦冷静になって本当に今辞めるべきなのか、転職先はその企業で良いのか、振り返るためにも第三者の意見を聴いたうえで転職に踏み切りましょう。ただ、身内に相談するとあまり否定的な意見を出しにくく、本音が聞けない可能性があります。したがって、できるだけ転職エージェントを利用してアドバイスをもらうのがおすすめです。
中小企業で仕事をしている中で感じることは
- 自分のこだわりを仕事で実現できている
- 自分というブランドをその仕事で作れている実感がある
そんな実感を得ております。様々な会社を経験させていただく中で、潜在的に自分のこだわりをもっと表現したいという思いがあって、今こうした実感が得られているのだと思います。
大企業での仕事も、中小企業での仕事もそれぞれに魅力があり、どちらが優れているという話ではないと思います。上流から下流まで見れるスタイルの仕事を、どこか自分が欲しているのであれば、中小企業の魅力や課題点を想定した上で、一度挑戦してみるのも良いと思います。
私たちのような転職エージェントは、当然、配属先の上司の特徴や社風を把握しようと様々な視点でヒアリングをしたり、訪問時に色々な所を見て判断をしています。転職エージェントを利用されている方は、入社してからでないとなかなかわからない「アナログな情報」を事前に担当者へ確認してください。転職エージェントの情報で判断しにくい場合は、面接に進んだ時に直接確認をしていくのをおすすめします。
◎森田さんの「note」でさらに詳しく解説!
・中小企業で働く魅力と注意点① 業務の上流から下流まで見れる
・中小企業で働く魅力と注意点② 会社の仕組みを変えやすい
まとめ
大企業から中小企業への転職は、キャリアダウンになってしまった、思っていたほど環境が良くなかったと後悔してしまう人も少なくありません。そこで後悔のない転職をするためには、応募先の中小企業の実情をよく把握したうえで、現状と比較してどちらが良いか冷静に考えることが大切です。
ただ、今の仕事に嫌気がさしていると、いくら待遇の良い大企業でも悪いところばかりが目に入ってしまいます。そのため、第三者の意見を聴いて冷静な状態で本当に転職すべきかどうか判断してください。
当然、大企業から中小企業への転職は悪いことばかりではありません。中小企業で働くメリットとデメリットを理解して転職を成功させましょう。
転職エージェントへの登録を考えているならこちらの記事を参考にしてみてください!
→転職エージェントの種類と選び方|年代別の活用ポイントを解説