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40代半ばでこれまでとは全く異なる仕事で独立を果たした八尾剛史さん。やりたかったことをやろうと、不安もありながらも新たなチャレンジを楽しめたと言います。
会社員時代のさまざまな経験、特にトラブルが発生しても逃げることなく問題を乗り越えてきた経験はとても役立ったと感じているそうです。
後編では、独立当初の想いや取り組みを中心にお話をお聞きしました。
個人事業主として独立を果たした八尾剛史さんのお話。後編です!
八尾 剛史 さん
大学を卒業後、2社に渡って合わせて6年間印刷会社で営業職に就き、30歳の頃メーカーのマーケティングやセールスプロモーションを支援する会社でディレクション業務に従事。45歳で退職し、現在は個人事業主として軽貨物運送業を中心にしながら、今までの経験を活かした仕事も並行して行うなど、業務の枠にとらわれない自由な働き方を実現している。
効率的に楽しみながら日々稼働
軽貨物運送業を中心に活動されているとのことですが、具体的にはどのような働き方なのでしょうか?
運送業に関しては、若いころから興味があって、いつか車を運転する仕事がしたいと思っていました。 ただ、キツイ等イメージがあまり良くない部分もありましたが、今はギグワークという働き方があって、自分のペースで仕事を組み立てることができます。
アプリで仕事を受注するのですが、ここ数年で色々な種類が出てきました。 その中で色々やってみて自分に合うサービスを見つけました。 それに運が良かったのが、偶然知り合った人が運送委託会社を紹介してくれまして、その会社が定期案件やスポット案件を振ってくれるようになり、ギグワークとの掛け合わせで売り上げも安定的になりました。
また、車内をWi-Fi化することで、隙間時間にPCを使った副業作業をしたりタブレットでYouTube等の動画を見たりできる環境を作りましたので、一日の稼働時間は長いですが、まるで動くリビングにいるような感覚で効率的に楽しみながら日々稼働しています。
とにかくやってみる精神
これまでのキャリアから全く違う事業にチャレンジされましたが、どのように準備されたのでしょうか?
退職を決意した時はもともと20代の頃から興味があった軽貨物運送をすることを決めていましたので、退職から開業するまでのスケジュールをまずは立てました。
特に、個人事業主として開業して失業保険から再就職手当をもらうことができることを知っていたため、その条件を満たすことを最優先に考えてスケジューリングしました。それによって計画通り再就職手当をもらうことができ、開業費(車両の購入)の一部に充てることができました。
そして、有給休暇の約2ヶ月間と、失業手当の申請から開業までの約2ヶ月間の合わせて約4ヶ月、自由な時間ができましたので副業として育てていくことができるものが何か無いかを模索しました。そこで、副業として思い浮かぶことをとにかくやってみる精神でいくつかチャレンジしました。
動画制作、ライバー、せどりとチャレンジするも…
どんなことに取り組まれたんでしょうか?
まず最初にやってみたのはYouTubeでの発信です。
有給休暇の約2ヶ月間はほとんど動画制作の時間にあて、ビジネス系の動画を16本作成しました。しかし、企画して台本を作成し、撮影して編集するという一連の作業が想像以上に時間がかかるということが分かり、副業として継続し続けるのは難しいと判断しました。
次にチャレンジしたのがライバーです。
ライバーはあまり聞きなれない方もいるかもしれませんが、ライブ配信アプリで配信を行いそれによって収入を得ることです。私は学生の頃からボーカルとしてバンド活動をしておりリアルライブの経験がありましたし、ちょうどコロナ前にバンドを解散していたこともあり、趣味と実益を兼ねた副業としてチャレンジしてみました。約3ヶ月間、二日に1回のペースで1日1時間半ぐらい配信を続けました。
しかし収益を得るには頻度や時間が全然足りず、相当な時間を投下しないと難しいというのが分かり断念しました。
そして次に検討したのは動画編集です。
前述のYouTubeで自己流ですが動画編集が多少できるようになったので、それを副業にできないか考えました。そこでクラウドソーシングサービスで相場を調べたのですが、実際に自分がやっていたYouTube動画の編集にかかる時間に対して、報酬が見合わないということが分かりこちらも断念しました。
最後にチャレンジしたのがせどりです。
せどりに対してのイメージはあまり良くないかもしれませんが、商品を仕入れて販売するという商売の基本も学べるかと思いチャレンジしてみました。Amazon出品用アカウントを無料の小口出品で作成し、商品のランキングなどが分かる分析ツールもまずは無料版で導入しました。
そして実際に店舗にてリサーチを始めたのですが、利益商品を見つけるのにかなり時間を使い苦戦しました。ただ、この頃には本業の軽貨物運送をスタートさせており、そちらの仕事の合間にリサーチしていたのですが、本業がどんどん軌道に乗り、反比例してせどりの活動は縮小していきました。現在は、前職の経験を活かしたセールスプロモーションのサポート業務を副業として活動しています。
失敗ばかりでしたが、1ミリも後悔していません
自身のキャリアや働き方に悩む方も多いと思います。
働く環境を変えたくなった時や変えざるを得なくなった時は転職だけでなく独立するということも選択肢に入れてもいいかもしれません。保証はできませんが意外と何とかなるものです。選択肢が増えるとちょっとは気が楽になるかもしれません。
いまだから感じる一歩踏み出すための“コツ”を教えてください。
とにかく「やってみる」ということかと思います。何もせずに立ち止まっていても何も起こりません。やってみることで見えてくることがたくさんあります。
小さなことでも、まずちょっとだけやってみてはいかがでしょうか。私は本業だけでは心もとないと思っていたため副業に色々チャレンジしましたが失敗ばかりでした。でも1ミリも後悔していません。やらない後悔はあったとしても、やって後悔することはないと思います。
まとめ
現在はVUCAと言われる将来が不確実な時代です。これまで上手くいっていたことが通用しなくなっています。何かを始めるには準備が必要ですが、一発勝負!とばかりに準備に時間をかけすぎてはかえってリスクが高くなるのではないでしょうか。
いろんなタイミングが重なり独立を果たした八尾さんの『保証はできませんが意外と何とかなるものです』という言葉は本心なのだと思います。
【勇気を持って一歩踏み出すための「7つの質問」】にもありますが、不安を押しのけ思い切ってコンフォートゾーンの外に踏み出すことで、想像していたよりも辛くないことに気づくはずです。
1ミリも後悔していないと言い切る八尾さんは、いまも日々チャレンジを楽しむ好循環にいるのでしょう。
八尾さん、ありがとうございました!