副業に興味を持つ会社員が増えていますが、具体的な始め方や選び方に悩む人も多いです。特に20-30代の若い世代は、新しいスキルを磨く機会としても副業に注目しています。
そこで「副業人材バンク」を運営する株式会社ROOKIEが大手企業に勤めるハイクラス人材約300名に対して行った意識調査を基に、「どのように副業を探せばよいか」や「自分に合った副業は何か」などの問題解決のヒントを探ります。副業に興味を持たれている方は、自分に合った副業に出会い、納得の行く仕事に取り組むための参考として下さい。
副業に対する高い関心
今回の意識調査では、副業実施率は18.3%という結果でした。まずここでは、業界別や経験社数による副業実施率の違いについて見ていきましょう。
業界別の副業実施率
業界別で見ると「コンサルティング」業界で副業を実施している人が17.6%、実施したことがある人が23.5%、合計で41.2%と最も高くなっています。次いで「ソフトウェア・情報通信」業界では、副業を実施している人が16.2%、実施したことがある人も16.2%、合計で32.4%です。
これらの業界は比較的柔軟な働き方が可能であり、専門性が高く市場価値のあるスキルを持つ人材が多いため、副業に取り組む人が多いのではないかと考えられます。
特に、「ソフトウェア・情報通信」業界では、現在副業を継続している人の割合が高くなっています。「コンサルティング」業界では、プロジェクトベースでの仕事も多いなど、職種がら外部の企業のサポートを行いやすい業界だと言えそうです。
経験社数と副業実施率
経験社数が増えるほど副業実施率も高くなるという結果が出ています。
1社での経験、いわゆる新卒入社の人は副業を実施している人が7.2%、実施したことがある人が4.9%、合計で12.1%です。2社での経験がある人は、副業を実施している人が11.6%、実施したことがある人が16.3%、合計で27.9%です。3社以上での経験がある人は、副業を実施している人が19.2%、実施したことがある人も19.2%、合計で38.4%となっています。
これは、多くの企業で働いた経験がある人ほど、多様なスキルや知識を持っている可能性もあり、さらに環境の異なる職場や職種に順応しやすいと考えることもできるでしょう。複数社での勤務経験が自信となり、副業の心理的ハードル低下に寄与していると想定されます。
副業で求めるもの
副業に取り組む理由は人それぞれですが、調査結果によると、収入増加以外にも多様な目的で副業に取り組む人が増えています。
収入増加以外に次いでスキルアップが目的に
調査結果によると、副業に取り組む最も一般的な理由は「収入を増やすため」で、72%の人がこの目的で副業をしています。一方で、「本業では得られない経験を積み、スキルアップするため」と回答した人も52%となっています。
この52%という数字は、副業が単なる収入源としてではなく、自己成長の場としても利用されていることを示しています。特にハイクラス人材においては、経験社数が増えるほど副業実施率が高くなる傾向があり、スキルアップの重要性が伺えます。
その他にも副業の目的はさまざま
「収入を増やすため」と「スキルアップするため」以外にも、副業には多様な目的が存在します。具体的には、「自分の興味があること、好きなことをやりたいため」が43%、「様々な人と繋がり視野を広げたいため」が34%と、自己実現や人脈形成も目的としています。
さらに、「自分の経験を社外で試してみたいため」が27%、「転職や独立に向けた準備するため」が23%、「地域や社会に貢献したいため」が16%と、多岐にわたる目的で副業に取り組む人がいます。
調査結果から、副業が多様なニーズに応える場となっていることがうかがえます。特にスキルアップという側面では、本業では得られない経験や知識を積む重要な場と捉えられているようです。
副業を始めるにあたっての悩み
副業に興味を持つ会社員は増加していますが、一方で「どのように始めればいいのか」についての明確な情報が不足しているのが現状です。
具体的な悩み
調査によれば、「どのように副業を探せばよいか分からない」と答えた人が34%、「自分に合った副業が分からない」と答えた人が31%、「どの副業サイトを使うべきか判断が難しい」と答えた人が18%でした。これらの数字からも、副業の始め方に悩む人が一定数存在していることがわかります。
例えば、副業を探す方法について悩んでいる人には、信頼性のある副業情報サイトや専門家のブログ、SNSを活用することが一つの手段です。副業経験者の口コミや評価も参考になるでしょう。
また、「自分に合った副業が分からない」という人は、自分のスキルや興味、時間的な制約をリストアップして、それに合った副業を探す方法が考えられます。「どの副業サイトを使うべきか」という疑問には、サイトの信頼性や手数料、サポートの有無を比較検討する必要があります。
副業検討時の困りごと
調査に対するコメントから、「副業に関してもっと知りたい」という声や、「副業でプライベート(家族)への影響が不安」といった具体的な悩みが寄せられています。これらの声からも、多くの人が副業に対する知識不足や不安があることが伺えます。
- 知識不足の問題
転職を考えようとしたときに専用サイトはいくつか浮かぶが、副業となるとなかなか浮かばないし、どのような工程を辿って副業に辿り着けるのか、そもそも副業全般に纏わる知識がないなどアンケートに答えながら気が付かされました。転職経験者は周りに多くいますが、副業をやっている人はほぼおらず、副業を積極的に開示している人に出会ったことがないため、知識がないのかもしれません。副業に関してもっと知りたいと思いました。(30代/広告・メディア)
- プライベートへの影響
転職ではなく副業というところで、現在の仕事を主とした上で副業をすることで、プライベート(家族)へ影響なくできるかどうかが不安。また、どういった副業があるか等の基礎知識も知らない状態なので、まずは基礎知識を知るところから(20代/エネルギー・インフラ)
- 憧れのキャリアがみつからない
キャリアを考えるように上司から言われるが、憧れるようなキャリアが社内で見つからず、考える気になれない(30代/メーカー)
今後の副業の在り方
副業の認識が変わりつつあり、多くの会社員が新しいスキルを磨く場として副業に注目しています。特に、ビジネス系職種に関するテーマが人気で、新規事業企画やマーケティングが多くの関心を集めています。
人気の副業テーマ
調査結果によれば、副業で取り組みたいテーマとして「新規事業企画」が40%、「マーケティング・プロモーション」が36%と、ビジネス系のテーマが人気でした。この結果から、自身のスキルを活用しながら新たな事業を起こすチャレンジをしたいと考えていることが伺えます。
ハイクラス人材の副業実施率は一般の会社員よりも高くなっており、副業を通じてスキルを高めようという意識が高いことが分かります。以前の記事「副業の将来性|キャリアへの影響と今後の市場規模」でもご紹介したように、副業市場規模は約0.8兆円となっています。副業を通じて得られるメリットは多岐にわたり、市場規模も今後10年で約2兆3540億円になると推計されています。
キャリア形成の新たな手段
「副業」に近い言葉として「複業」があります。複業は、複数の職業を持つことでスキルを広げ、自己実現を追求するという視点から生まれた概念です。この変化は、副業が個々のキャリア形成にどのように貢献できるのかを示しています。
副業を通じて、新たなスキルを習得したり、既存のスキルを磨くことができます。複業の視点からは、異なる業界や職種に触れることで視野を広げ、自己実現を追求することも可能です。
株式会社ROOKIEの「副業人材バンク」
今回のレポートは「副業人材バンク」を運営する株式会社ROOKIEの調査結果をもとにご紹介しました。「副業人材バンク」は、ビジネス系職種に特化したマッチングサービスです。
経営企画、新規事業企画、マーケティングなど、ハイクラス人材が自身の成長に繋がる案件を扱います。このサービスの特徴として、初期費用がゼロであり、ROOKIEスタッフが運営サポートを提供する点があります。
複業支援サービスを使うこと副業のハードルが下がるでしょう。また、人材不足が問題となる今、副業人材は企業にとって、プロジェクトの品質向上、新しい視点の導入、そして人件費の削減など、企業にとっても大きなメリットがあります。
まとめ
調査結果を見てわかるように、大手企業に勤めるハイクラス人材は副業に関心を持っています。それでも、副業の始め方や選び方には疑問や悩みは多く、副業をうまく進めるためにはいくつかポイントがあります。
例えば、自分が副業で何を達成したいのか、その目的を明確にすることが重要です。収入増加だけでなく、スキルアップや新規事業への挑戦も視野に入れることが有益です。特定の業界で副業が多い場合、その業界で求められるスキルと自分のスキルがどれだけマッチしているかを考慮することも大切です。そして、副業支援サービス(例:副業を紹介するウェブサイトやアプリ)の選び方や自分に合った副業の探し方についても、しっかりとした調査と準備が欠かせません。
副業は単なる収入源ではなく、自己成長や新たな可能性を広げる大きなチャンスでもあります。副業に興味を持つ方は、なぜ副業に取り組みたいかを整理したうえで、新しい挑戦を始めて見てください。
出典:
「大手企業ハイクラス人材」の副業意識調査を実施 ~ハイクラス人材は副業への関心が高く、副業による自身の更なる成長を企図~