働くなら天職だと思えるような仕事に出会いたい。そんな風に考える人も多いのではないでしょうか。
2人に1人が「今の仕事を天職だと感じている」という2015年の調査結果※もありますが、とはいえ、どんな仕事を天職と感じるかは人それぞれ。
※出典:マイナビニュース
この記事では、天職とは何か、天職の見つけ方について解説していきます
天職の意味。
適職との違いや天職の見つけ方について調べてみました。
天職とは?
天職とは、その仕事に就くために生まれてきたかのような、天から授かったと思える職業のこと。報酬の大小に関わらずその仕事がしたいと心から思える職業を天職といいます。
長時間働いても苦にならず、夢中で仕事に取り組めているのなら、あなたにとってその仕事は天職かもしれません。
天職と適職の違い
天職と似た言葉に「適職」がありますが、それぞれの違いは何でしょうか?
適職は「その人の能力や才能などに合った職業」を意味しており、自分の意思とは無関係に適性のある職業を指します。
仕事の成果にかかわらず、やり甲斐や充実感を得ることができるかなど、仕事に向き合う姿勢が天職かどうかを見分けるポイントになります。
仕事や働き方に悩みを抱える人が多い今の時代は、やり甲斐や充実感を感じることができなくても、まず適職に出会えただけで幸せかもしれませんね。
天職の条件
天職とは、天から授かったと思える職業のことであり、自分の仕事に対する姿勢が天職かどうかを判断する決め手になります。
つまり、天職かどうかを判断するのは自分自身。例えば、仕事に対して下記のような感情を抱いているなら、既に天職についているのかもしれません。
- 長時間働いても苦にならない
- 心から仕事を楽しめている
- 失敗から学んでいる
- モチベーションを持ち続けられる
- 時間を忘れて仕事にのめり込める
- この仕事を一生続けたいと思える
- 心から仕事を楽しんでいる
仕事を楽しめていたら、それだけで天職と言えるのかなー
働く理由を明確にする
天職を見つけるためには「なぜ働くのか?」「何を提供しているのか?」について考えることが大切です。
なぜ働くのか?
何のために働くのか、多くの人が考えたことがあるでしょう。
「お金のため」「自己実現のため」「憧れの職業があった」「大人になったら働くことが当然…」など。
働く理由は人それぞれですが、キャリアという視点では大きくふたつに分けられます。
内的キャリアと外的キャリア
外的キャリアは具体的な職種や業種や職業など目に見えるもの、名刺に書けるものです。建物に例えると上物です。地上に出ている部分なので見えますし、わかりやすいです。内的キャリアは自分にとっての働くことの意味や価値や意義です。自分の内面であり、自分の心の中に存在しています。
日本キャリア・カウンセリング研究会
天職を見つけるためにまず考えることは、この「内的キャリア」に目を向けることと言えます。
自分のキャリアを考えるときには、外的キャリアだけに目を向けても何も見えません。内的キャリアを確かめた上で外的キャリアに目を向けると見えなかったものが見えてきます。
日本キャリア・カウンセリング研究会
職種や業種、職業など、目に見える、名刺にかけるような仕事を追いかけていては、天職を見つけることは難しいかもしれません。
日本キャリア・カウンセリング研究会では、『なぜその仕事をしたいのか、なぜその職業を選ぶのか、なぜその会社で働きたいのか、というときの“なぜ”が「内的キャリア」』だとしています。
これは天職を考えることにも通じる点ではないでしょうか。
何を提供しているのか?
三人のレンガ職人の話をご存知でしょうか?
三人のレンガ職人が、仕事中に「何をしているのか?」と尋ねられ、それぞれが問いかけに答えます。
- 一人目のレンガ職人
→「レンガ積みに決まってるだろ」 - 二人目のレンガ職人
→「この仕事で家族を養っている」 - 三人目のレンガ職人
→「歴史に残る偉大な大聖堂を造っている」
三人は、それぞれレンガを積むという同じ仕事をする職人です。
しかし、その答えは三者三様。
この物語にはありませんが、もし「この仕事は天職か?」と、続けて質問をしたなら、三人目のレンガ職人は「天職だ」と答えるのではないでしょうか?
同じ仕事であっても、誰に何を提供しているかが具体的になるほど、働く意味や目的が明確になり、積極的に仕事と向き合うことに繋がります。
天職の見つけ方:5つの方法
天職を見つけるためには、どのような方法があるのでしょうか。
ここでは5つの方法をご紹介します。
1.診断サービスを受ける
性格や適性など、自分のことは意外にわからないものです。
診断サービスではいくつかの質問に答えることで、自身のタイプや適性を教えてくれます。
サービスによって診断内容は異なりますが、客観的なデータとして適職を診断できるサービスが多く、進路やチャレンジの方向性を決めるのに役立ちます。
2.キャリアの専門家に相談する
キャリアに関するパーソナル・トレーニングやキャリアコンサルタントは、やりたいことを見つけるためにあなたをサポートしてくれます。
「内的キャリア」に目を向けるための、客観的な意見をもらうことができ、自己分析を深めることができます。
他にも、転職エージェントに登録するとキャリアアドバイザーと相談することができます。
適正年収や転職市場での評価などを知ることができ、気になる企業や業界の特徴、求める人材像についても情報を得ることができます。
ただし、転職してもらうことで収益が生まれるサービスのため、担当者によっては当たりハズレがある点に注意が必要です。
3.得意なことをする
キャリアの棚卸しの際によく使われるフレームワークに「Will・Can・Must」というものがあります。
「Will:やりたいこと」「Can:できること」「Must:するべきこと」それぞれ「3つの輪」の重なり具合によって現状の整理が進みます。
何がしたいかわからない、つまり「Will」が見つかっていない場合は「Must」よりも「Can」を広げていくことが大切です。
他人と比べる必要はなく、まずはこれまで積み上げてきたことを見つめ直すことから始めましょう。
4.新しいことにチャレンジする
新しい環境や取り組みにチャレンジすることは、新たな自分を発見することにつながります。
できることから少しずつでかまいません。
チャレンジすることで、人との出会いが増え、視野が広がり、「できる」という自信が持てるようになるでしょう。
一歩踏み出す勇気が持てないと感じていても、思い切ってコンフォートゾーン※の外に踏み出しましょう。案外、想像していたよりも辛くないことに気づくはずです。
※コンフォートゾーンとは「快適な場所」「居心地の良い領域」。あまり不安を感じず、自分のもつスキルでほとんどのことに対応できる状態のこと。
5.目標を明確にする
天職を見つけるためにも目標設定は大切です。
「やりたいこともない、目標もない、だから悩んでいるんだ」という人もいるかもしれませんが、目標がなければ、向かう方向もわからず、モチベーションも上がりません。
まずは小さなことでいいので、目標を持って行動を起こすことが重要です。
まとめ
天職というのは、自分の想いと環境がぴったりと重なり合った状態かもしれません。
そうだとすると、待っていても自然と天職に出会えるわけではないでしょう。
ここで紹介した天職を見つけるための方法のうち「1.診断サービスを受ける」「2.キャリアの専門家に相談する」は自己分析の手段です。
自己分析だけで終わらずに、行動を起こし試行錯誤しながら天職を探していきましょう。