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転職に年齢は関係ない?年齢によって企業の採用基準はどう変わる?

転職に年齢は関係ない?年齢によって企業の採用基準はどう変わる?
2022年5月17日

より自分に適した職場でキャリアアップをはかりたいと考えるミドル世代にとって、最も気になることのひとつは「転職に年齢は関係するのか」でしょう。

この記事では転職者における年代の傾向や企業が各年代の転職者に求めることなどを紹介しながら、ミドル世代が転職を成功させるためにはどのようなことを意識すればよいか考えていきます。

監修
森田 秀司 さん

大学卒業後、外食産業を経て人材サービス業界に入り、業界経験20年。転職エージェント9年、再就職支援3年、人材派遣5年の他、自身も派遣社員として2年半の就業経験があり、多種多様な働き方の支援に携わる。その後、京都地場の人材サービス会社にて、エンジニア専門転職エージェントサービスの立ち上げ、自社採用業務、派遣事業管理に携わる。人材紹介の仕事について日々思うことをnoteで配信中

大学卒業後、外食産業を経て人材サービス業界に入り、業界経験20年。転職エージェント9年、再就職支援3年、人材派遣5年の他、自身も派遣社員として2年半の就業経験があり、多種多様な働き方の支援に携わる。その後、京都地場の人材サービス会社にて、エンジニア専門転職エージェントサービスの立ち上げ、自社採用業務、派遣事業管理に携わる。人材紹介の仕事について日々思うことをnoteで配信中

転職に年齢が影響する理由

年齢が上がるほど転職はしにくくなるという話を耳にしたことがある方は少なくないでしょう。実際、転職者の年齢が転職活動に影響を与えることには間違いありません。転職に年齢が影響する大きな理由は、企業が転職者に求めるものが年齢によって異なることにあります。

例えば若い世代はまだ社会人になってからの経験がそれほどなく、自分に適した仕事を見つけられていない状態にある人も多く見られます。そのため企業はこれから自社で育てていける年代と考え、間口を広げて採用する傾向にあります。

しかし、ある程度年齢を重ねた転職者に企業が求めるものは、採用した後すぐに会社の力になれるかどうかです。つまり、一定の年齢以上の転職者に対しては企業が求めるレベルが高くなるため、これが転職者の年齢に影響していると考えられます。

ただし、転職する年齢に限界があるわけではありません。35歳前後が転職の限界年齢と考えられてきたこともありましたが、現在は幅広い年代の人が転職を成功させています。

若い世代は入社後の教育に手間も時間もかけなければいけませんが、年齢の高い転職者であればそういったコストは考えなくて良いため、大きなメリットを感じる企業も多いのです。

転職は何歳まで可能なのか

総合人材会社パーソルキャリアが同社のエージェントサービスを利用した転職者を対象に行った調査によると、2021年に転職した人の平均年齢は31.7歳。調査開始以来最も高かった2020年の32.0歳よりやや低い結果となりました。

なお転職成功者の年齢の割合をみると、25~29歳の層のみが前年(2020年)より増加し、全年代に占める割合が最大を維持しました。一方、「25~29歳」を除く全年代の割合は前年より減少しています。特に35歳以上のミドル層がより大きく割合を下げています。

出典:
コロナでどう変わった? 転職成功者の平均年齢調査【最新版】

企業が各年代の転職者に求めること

転職者の年代によって企業が求めるものが異なることは前述しました。それでは具体的にどのようなことを求める傾向にあるのか、各年代ごとに詳しく見ていきましょう。

20代

20代はまだ社会に出てからの経験がそれほど多くはありません。さまざまな経験を積み、これから活かせる知識・スキルを身に付けていく時期だと考えられます。企業もその点を考慮し、実践的なスキルが不足していても、ポテンシャルや伸びしろなど、可能性を感じられる人材なら採用することが多いでしょう。

また、まだ特定のカラーに染まり切っていない年代でもあるため、社員教育によって自社にマッチする人材に育てられそうな人も採用されやすい傾向にあります。そのほか、社会人経験が少ないからこそ柔軟な発想や既存の考え方にとらわれない思考ができることもこの年代の特徴のひとつ。社内に新しいイノベーションを巻き起こす起爆剤的な役割も求められます。

30代前半

社内でリードプレーヤーとしての活躍を期待される年代となり、人によっては管理職に就く人も出てくる年代でもあるため、一定の経験が求められるようになります。会社によっては、求人の条件として同業種での経験(ないし近しい業種)と指定するところも出てきます。

一定数の企業は、異業種での経験者も採用していますが、20代以上に早期で戦力化する心構えがあると、転職先でも成功しやすくなるでしょう。

30代後半

30代後半となるとある程度の経験を経て、一般的なビジネススキルが身に付いている年代です。自分のスタイルや適性なども理解できてきた年齢なので、ここからは会社の即戦力となることが求められます。

30代後半は現場において実質的な業務を行える人材が転職で有利。例えば営業部であればバリバリ営業活動を行える人、事務部であれば一般的な事務スキルがあり事務処理を自ら進めていける人などです。

40代

40代となると業務全般をほぼ理解し、より全体に目を向けることが求められる年代です。この年代の転職者に企業が期待するのはリーダーシップ。これまで培ってきた知識・スキルや経験を活かし、職場をまとめ引っ張っていけるような人材が求められます。

企業が想定する目標に向け事業を展開させていくためには、個々の社員がそれぞれ業務に注力するだけでは足りません。幅広い視野で持って職場全体をまとめ、引っ張っていく存在が必要であり、その役割を任されることが多いのが40代以上の年代なのです。

周りの人の状況を見ながら職場内の調整を行い、業務が円滑に進むよう導いていく能力は必須。また、現状で問題となっていることは何なのか、その解決のためにはどのようなことが必要なのかを適切に把握する課題解決能力を持った人材も重宝されます。

50代以降

50代となると業種や職種に関する知識・経験を豊富に蓄え、成熟しきっている年代です。これまでの積み重ねを活かし、現場を束ねる存在になるとともに、会社の経営などに関してもその経験を活用できるような人材が求められます。

即戦力として働けることはもちろん、さまざまな角度から会社を支え、太い屋台骨として存在できる力が50代以降の人材には必要です。自分が実務を行うだけではなく、自分の知識・スキルを周りに教え次の世代の人材を育てるなど、職場に幅広く貢献できる人材も求められます。

ミドル世代が転職を成功させるポイント

ここまで説明してきたことを踏まえながら、ミドル世代が転職を成功させるポイントを見ていきましょう。

自分の強みを明確にアピールする

ミドル世代の転職者の最大の武器はこれまで積み重ねてきた知識・スキルや経験です。ただし、武器が豊富過ぎて明確にどれが最も強みにできるものなのかわかりにくくなることもあります。

自分は何ができるのか持てるものを全て洗い出し、改めて分析しながら、これぞ自分の最大のアピールポイントというものを見つけましょう。また、自分を客観的に見て強みを探すことも重要です。自分で主観的に考える強みと、第三者が自分を見たときに認識する強みは必ずしもイコールと限りません。

新たなことに挑戦する姿勢を見せる

若い世代がまだ社会人として特定のカラーに染まり切っておらず柔軟だと考える一方、ある程度の年齢以上の転職者は自分のスタイルが確立しており柔軟になりきれないとイメージする企業も存在します。そこで、ミドル世代は積極的に新しいことにチャレンジしていく姿勢をアピールするのも大切です。

社会が目まぐるしく移り変わるニューノーマルな現代において、慣例ばかりにこだわっていては取り残されてしまいます。企業としてもこれまで築いたものを守りつつ、常により良い方向を模索し、ときには新しい価値観を受け入れ打って出ることが重要。このような社会に対応し、新しいことに対し恐れず挑戦していける柔軟性を持ちましょう。

ミドル世代の採用に力を入れている企業を狙う

転職者の中でミドル世代が増えていることを先に述べましたが、企業によって採用する年代の傾向は異なります。企業の傾向を掴み、ミドル世代の採用に力を入れている企業への転職を狙うこともポイントです。若い世代を中心に採用している企業にミドル世代が転職するのは実際のところ難しい部分があります。

それぞれの企業によって方向性やカラーがあり、そこに若い世代がマッチすると考えている場合もあるからです。しかし、育成にかけるコストが少なく済むことや即戦力として会社にすぐに貢献してくれることなど、ミドル世代を採用するメリットを重視している企業も存在します。このような企業を狙って転職活動すれば、より成功しやすいでしょう。

技術者・製造業界での転職の特徴

技術職には機械、電気、IT、化学、製薬など様々な領域がありますが、大手と中小・ベンチャー企業で求められるスキルが変わってきます。

大手の場合、プロダクトの企画や構想は自社技術者が行い、詳細設計や実装などは外注(協力会社、請負業者、フリーランスなど)に依頼。自社技術者はそれら外注の進捗管理、成果物の仕上がりをチェックする、というケースが多くなります。そのため、大手で求められるのは管理・マネジメント能力である傾向があります。

一方、中小・ベンチャーの場合は、外注を使わず(使ってもスポット的に利用)企画構想から実装までを自社技術者が手掛けるケースが多くなります。また、管理職でもプレイングマネージャーとして実務をすることも求められるため、自分で手を動かして仕事ができることを求められる傾向にあります。

技術者の転職では、このように技術者としてどのような働き方を目指しているのか?を考慮することが必要です。

まとめ

年齢が高ければ転職しづらいという風潮はもはや昔のもの。40代50代でも転職を成功させている人は大勢います。ミドル世代が転職を成功させるポイントは、企業が自分の年代の転職者に求めるものをしっかり理解し、そこにフィットするような強みをアピールすることです。

また、柔軟性の不足などミドル世代にイメージされるマイナスな部分をフォローすることも大切。ぜひこの記事を参考にしながら、自分のスキルや経験を十二分に発揮できる職場を見つけ、転職を叶えましょう。